首都高 東京圏ネットワークの機能強化

3事業が年度内に完成、開通へ

  首都高速道路株式会社(東京都千代田区、宮田年耕社長)が交通ネットワーク強化を目指して進めてきた3つの大型工事が、完成に向けて大詰めの段階を迎えた。渋滞の緩和や防災機能の強化、利便性の向上が期待されている。

ゆりかもめ(下)をまたぐ晴海線(首都高速道路株式会社提供)

 

晴海運河 渡河部付近(首都高速道路株式会社提供)

東雲運河渡河部付近(首都高速道路株式会社提供)

まず、高速10号晴海線が新設され、3月10日16時に開通の予定だ。東京都中央区晴海と江東区豊洲を結ぶ約1・2㎞で、ほぼ半分は晴海運河を渡る橋になっている。

開通で湾岸線に晴海から入れることになり、都心と高速網のアクセスが一段と強化される。緊急輸送のネットワークも強まり、地域の防災機能が向上。並行する有明通りや晴海通りの混雑緩和も見込まれる。

この区間は新交通「ゆりかもめ」の上をまたいでいる。昨年7月、ゆりかもめの通電が停止している3時間のうちに、鋼箱桁(延長約16・5m、重量上り約64t、下り約66t)を架設した。

 

秋元国交副大臣が晴海線を視察 

山口本部長(左)の説明を聞く秋元副大臣

国土交通省の秋元司副大臣が2月7日に現地を視察した際は、東京西局プロジェクト本部の山口修一本部長が事業概要を説明しながら高架上を歩いて案内。秋元副大臣は「ゆりかもめ上の難工事を含め、確実に工事が進んでいることを確認できた。今後も安全な工事完了に向けて万全を期してほしい」と語った。

 

 

「携帯を握りながら寝ていた」

 

工事を所管する晴海工事事務所の田中充夫所長(写真下)は今、「ホッと一息ついた」と話す。ゆりかもめ上の上部工架設を含め、夜間工事がある時はいつも携帯電話を握りしめながら床に就いていたという。

「安全には細心の注意を払った。ゆりかもめ上の架設工法は送出し架設からトラッククレーンベント架設に変更し、クレーン使用時には十分な離隔を取った。関係機関と調整のうえ、並行する街路の一部通行止めも随時実施した。各種計器を用いた本設・仮設構造物の計測も24時間行い、変状を見逃さないよう注意した」と振り返っている。 

この区間の施工は、基礎・下部・土工事を戸田建設・鴻池組JV、上部・橋脚工事をIHIインフラシステム・横河ブリッジJVが担当した。

 

中央環状線は渋滞緩和へ

一方、高速中央環状線では、堀切・小菅ジャンクション(JCT)間約0・6㎞、板橋・熊野町JCT間約0・5㎞を現在の3車線から4車線に広げる2つの工事が大詰めで、それぞれ2月25日午前5時、3月18日午前5時に開通の予定だ。渋滞の緩和、事故減少による安全性の向上などが期待されている。

板橋・熊野町JCTの施工会社は、大林組・JFEエンジニアリング・横河ブリッジ異工種JV。堀切・小菅間JCTの施工会社は、上部・橋脚工事がJFEエンジニアリングで、基礎・擁壁工事が東急建設。

山口本部長は2月7日に秋元副大臣を見送った後、「3事業の完成は非常に意義が大きい。中央環状線2区間のボトルネック解消で、お客様にとってさらなる利便性の向上を期待している」と話した。

 

首都高速道路株式会社

首都圏の高速道路の建設・管理等を行っている。株主は国、東京都、神奈川県、埼玉県、横浜市、川崎市、千葉県。前身の首都高速道路公団は1959年(昭和34年)に発足し、1962年(昭和37年)に最初の高速道路、京橋―芝浦間4.5㎞が開通した。道路関係の公団民営化に伴い、2005年(平成17年)、首都高速道路株式会社が誕生した。