わが国唯一のアルミニウム橋梁「金慶橋」  土木遺産認定で講演会・見学会を5月に開催へ

兵庫県芦屋市と関西の奥座敷・有馬温泉を結ぶ有料道路「芦有(ろゆう)ドライブウェイ」に、わが国で唯一、桁部にアルミニウム合金を使った金慶橋(きんけいばし)が架かっている。2017年に土木学会の「選奨土木遺産」に認定されたことを受け、5月に講演会と見学会が開かれる。

芦有ドライブウェイの金慶橋

金慶橋は1961年(昭和36年)の架橋。地盤が軟弱で橋体の重さを減らす必要があったことに加え、樹木が生い茂って4m下に沢が流れるという金属に厳しい高湿度の環境であったため、構造用強度材にアルミニウム合金が選ばれた。

下から

道路橋の橋桁部に鉄鋼以外の金属が使われたのはわが国初めてで、溶接などは当時の先端技術が使われた。構造用強度材にアルミニウム合金を使うのはまだ造船分野が中心の時代だったため、学会や業界の注目を集めたという。

竣工から56年。この間、橋桁部の改修や補修はまったく行われていない。冬期には凍結防止剤が橋面に散布されるが、これまでノーメンテナンスで使われてきた。橋の長寿命化によるLCC(ライフサイクルコスト)の面からも、アルミニウムの特徴が生かされたわけだ。

日本アルミニウム協会はこれまで、1995年、2007年、2012年、2017年の4回にわたり、金慶橋の経年変化を現地調査してきた。その結果、主桁等に微小な点食が発生していたが、著しい腐食や割れ等は観察されず、今後さらに長期の耐久性が期待できるという。

金慶橋は2017年、土木学会の「選奨土木遺産」に他22件とともに認定された。

講演会・見学会は、選奨土木遺産の推薦者・日本アルミニウム協会が主催、金慶橋の所有者である芦屋ドライブウェイ株式会社の共催、土木会関西支部が後援となっている。5月15日13時から、新幹線と地下鉄の新神戸駅直結の「ANAクラウンプラザホテル神戸」で、伊藤義人・名古屋大学名誉教授が「56年経過したアルミニウム合金橋梁『金慶橋』」と題して講演する。その後、バスで金慶橋に移動して現地見学、新神戸駅に戻って解散になる。定員35人(先着順)で、参加費は無料。問い合わせと申し込みは、同協会HP「ただいま募集中」欄 (http://www.aluminum.or.jp/)へ。

(写真はいずれも日本アルミニウム協会提供)

金慶橋 橋長20.6m、支間20.0m、幅員8.1m。使用したアルミニウム合金の総重量は、約7t。橋格は1等橋(20tトラック)。床版は鉄筋コンクリートスラブ(厚さ17㎝)、舗装はアスファルトコンクリート(厚さ5㎝)。 

芦有ドライブウェイ 芦屋と有馬温泉間約10㎞を結ぶ有料道路。西日本高速道路(NEXCO西日本)の関連会社「芦有ドライブウェイ株式会社」が経営している。コース上には、大阪や神戸、淡路島を見渡す圧巻のパノラマ地点「東六甲展望台」がある。他にも美しい景色が多く、四季折々にゆっくり楽しんでもらおうと、制限時速は40㎞となっている。