余話 護国寺から 3 舞台は伊勢へ

さて、森本哲郎さん(1925-2014)である。

(略)

「旅は人生 日本人の風景を歩く」(PHP研究所、2006年)という著作を残している。各地を旅して風景に見入り、日本人がその風景にどんな思いを託してきたかを綴った。

五十鈴川に架かる宇治橋(伊勢神宮提供)

旅の最後は伊勢神宮である。森本さんにとって、「日本を旅することは、すなわち、日本への回帰にほかならない」。だから、「日本のあちこちを思いつくままに旅して、ぼくが最後に伊勢神宮の宇治橋を渡ったのは、その無意識のなせるわざなのであろう」と思う。

「五十鈴川にかかる宇治橋を渡り、鳥居をくぐり、垣のうちへ進み、本殿を拝する。その本殿の床下の中心には『心御柱(しんのみはしら)』が建てられているその。『柱』と『橋』、さらには原初の『初め(はじめ)』・・ぼくは、そこにも共通するイメージ、『ハシ』という言葉の表す『世界』を見る。その『ハシ』こそ、日本人の世界像に大きくかかわっているのだ、と確信する」

日本人を語る時のキーワードに「ハシ」という大和(やまと)言葉が数多く登場することに着目したのだ。

(続きは「橋梁通信」5月15日号でご覧ください)