一輪挿し(6)

五月雨に かくれぬものや 瀬田の橋

松尾芭蕉

 橋は昔から、強い存在感を人の心に落としていた。五月雨は旧暦5月の雨、つまり梅雨である。降り続く長雨が景色を染め、辺りがけぶって見えるのに、「瀬田の唐橋」だけは隠れることなく、まさにそこに存在している。雨の中、じっと橋に見入る芭蕉がいた。

(続きは「橋梁通信」6月1日号でご覧ください)