はしから はしまで ⑦ 日本橋 その7

日本橋(東京都中央区)の歩道でたたずんでいたら、道路の中央に何やらプレートが埋め込まれていることに気付いた。

何だろう。見てみたい。

しかし、日本橋とはすなわち、銀座につながる中央通りである。片側2車線、計4車線はいつも車の流れが絶えないから、道路の中央に歩いて近付くのは容易でない。

途方に暮れていたら、あることに気付いた。日本橋の両端近くに信号がある。その一方が赤になれば、そちらからの車の流れは途切れる。ただ反対側は車がひっきりなしだから、道路中央に出るのは危ない。ところがたまに、両方が同時に赤になり、短時間だが4車線全部に車がないことがある。

その瞬間がチャンスだ。スタートダッシュ。直径50㎝ほどのプレートを肉眼でじっくり見ている余裕はないから、とにかくカメラに収め、急いで歩道に舞い戻る。テレビ番組ではないが、「危険なので、絶対にまねをしないでください」といったところ。

さて、カメラの記録を確認すると、「日本国道路元標」と書かれていた(写真上)。あっ、これなのか、という感じである。五街道の起点とは、これを言うのか。起点とは抽象的な意味ではなく、文字通り、物理的に、そこに埋め込まれていた訳だ。

でも、この文字は見た記憶がある。辺りを歩いて確かめると、あった。プレートを埋めた石碑(写真上)が橋詰にあった。よく見ると、石碑には「複製」の文字が刻まれている。道路中央のプレートが本物で、石碑はレプリカと言う訳だ。

ただ、その隣には古めかしい照明柱が立っており、「東京市道路元標」とある(写真下)。なんだか、紛らわしい。謎を解いてみよう。

(全文は「橋梁通信」7月15日号でご覧ください)