主張(10)災害対策 「インフラ」指摘を忘れるな 主要新聞の社説を検証する  

それは、もちろん大事なことだ。異論はない。でも、もっと大事な、根本的なことを忘れていないか。

今回の豪雨災害に関する主要新聞の社説を読んで、そんなもどかしさが残った。あらかじめのインフラ整備で被害を少しでも減らそうという観点が欠落しているからだ。

例えば、

(中略)

「硬い床に所狭しと敷かれたブルーシートや毛布。疲れた顔で雑魚寝する被災者」と実情を指摘し、「高齢者や妊娠した女性、障害者など、様々な人が避難所には集まる。ベッドだけでなくトイレや食事なども含めて、被災者の『我慢』を当たり前としない避難所にしていくべき」と訴えた。

これも大事だ。異論はない。しかし、避難所の環境問題を提起するなら、「そもそも、避難所に来る人が少しでも減るような災害対策はないのか」と、なぜ考えないのだろう。

「あらかじめのインフラ整備で被害、そして避難所に来る人を減らすことはできないのか」と、なぜ論理を展開しないのだろうか。

防災におけるインフラ整備の役割について、意図的に目をつむっている訳ではなかろうが、もどかしさが募る。隔靴掻痒という言葉はこうした場合に使うのだろう。

だから、一連の報道で最も印象に残ったのは、藤井聡・京大教授の発言だった。

「日本の河川は、堤防の整備率が欧米に比べて低い」のに、治水関連予算が「20年間で英米では2倍前後に増えた一方、我が国は半分以下に縮減されている」と、具体的に指摘したのである。(続く)(「木戸健介さんの足跡をたどる」シリーズは休みました)

(全文は「橋梁通信」8月1日号でご覧ください)