主張(9)橋不通の生活 メディアは不便伝えて

原因究明を 橋はなぜ壊れたか

前回の「主張」は大阪北部地震を取り上げ、橋が災害時のネットワークに不可欠であることを人々は再認識したはずと書いた。

その大切な橋が、21か所で流出・損壊した(橋梁通信まとめ、7月11日現在)。7月上旬、西日本を中心に襲った豪雨の爪痕である。地震、豪雨の相次ぐ襲来で、わが国が災害列島という極めて危うい国土であることを改めて思い知らされた。

気象庁は、今回の豪雨の名称を「平成30年7月豪雨」と定めている。そのくくりで言えば、豪雨の牙は北海道のオホーツクに近い町にも及んだ。遠軽町を走る道道が湧別川を渡る「いわね大橋」が「く」の字型に折れ曲がったのである。

原因は調査中だが、川の増水で橋脚9本のうち1本が傾いたとみられるという。問題は、増水と橋脚の傾きの詳しい因果関係だろう。増水して、何がどうなって、橋脚が傾いた、という説明を聞きたい。関係当局には徹底した調査を望む。

(中略)

いわね大橋は町の中心部に架かっている。「住宅街とスーパーや病院とを結ぶ幹線道路」(北海道新聞)だ。復旧には一定の時間がかかるだろうから、暮らしへの影響は計り知れない。

その点、NHKが「病院に行くのに1㎞も遠回りするのは非常に困る。日常生活に欠かせない橋なので、早く復旧してほしい」と、住民の要望を具体的に報道したのは評価できる。

メディアの役割は、単に「橋の通行止め」という客観的な事実の報道にとどまらない。住民は橋の不通によって、何に、どう困っているのか。それを報道することによって、早期復旧への拍車がかかる。橋の役割への認識も増す

土木学会は、迫りくる国難ともいうべき大災害に対し、事前のインフラ整備で被害縮小をと提言した(4面)。災害時は目先の対応に終わらず、常に将来を見越した議論がこの社会に起こるよう切に願う。

(「木戸健介さんの足跡をたどる」シリーズは休みました)

(全文は「橋梁通信」7月15日号でご覧ください)