はしから はしまで ⑧ 日本橋 その8

「トリビア」と言うと、「ムダ」とか「くだらない」といったイメージが付きまとうが、「へーっ」という好奇な驚きの要素も確かにあり、東京・中央区の日本橋は後者の意味でのトリビアの宝庫だ。「日本橋には乙姫様がお住まい」と聞いたら、これはトリビアであって、ぜひ会いたくなった。

北詰の東側に石の像が立っていた。乙姫像である。

笑顔(に見える)は結構ふくよかで、行儀良く玉座(?)に座っている。足の指先が強調されているのは、「人魚ではありません」という意味か。仏像で言えば光背(こうはい)の場所に魚が頭を出しているのがかわいい。その脇の曲線は海藻で、下部の左右は貝殻なのだろうか。

もちろん龍宮も乙姫様も見たことはないから、こんなことを言うのは不合理なのだが、どこかイメージが違う。硬い。本物(この言い方もおかしいが)はもっと華やかな世界のような気がする。某携帯電話会社のバブリーなCM「竜宮城ぷるぷる」を見過ぎたためだろうか。竜宮城の名を冠したホテルの派手なたたずまいも影響しているのだろうか。

それはともかく、なぜ乙姫様が日本橋に?

(中略)

過去はミステリアスな方が、乙姫様には似合うのかも知れない。

(全文は「橋梁通信」8月15日号でご覧ください)