田中賞 発注者コメント② 高速神奈川7号横浜北線 生麦ジャンクション高架橋

森健太郎氏

首都高速道会社会社 神奈川建設局 設計課長 森健太郎氏

生麦ジャンクション(JCT)のコンパクト化は、既供用であった横羽線の生麦入口を移設し、旧生麦入口の撤去跡地を有効活用して連結路を構築し、連結路延長を当初計画の4.9kmから2.8kmに短縮した。

限られた用地内に高速本線、JCT連結路、出入口ランプを収めるため、生麦JCTでは多層立体ラーメン構造を基本とした。下層の建築限界を確保するため、上層の構造高を極力抑える必要があり、鋼製橋脚の横梁、鋼桁、鋼床版を剛結構造とし、構造のコンパクト化を図った。

基礎は限られた用地内での構築となるため,ニューマチックケーソン基礎を多く採用し、街路上の道路橋では国内最小クラスとなるΦ5.5mの小断面ニューマチックケーソン基礎を採用した。

連結路は三層の立体交差により橋脚高が30mと高く、一方で用地制約により橋脚幅の制限がある。そのため、橋脚及び上部工の自重低減、地震時慣性力低減のため、橋脚は鋼製橋脚、上部工は鋼床版箱桁を主体に、一部の上部工では免震構造を採用した。

生麦JCTは周囲に住居が多く存在したことから、周辺環境への影響を最小限とするため、景観に配慮し、橋脚、橋桁、排水管は塗装色をシルキーホワイト色で統一し、鋼桁と鋼製橋脚が剛結されたラーメン構造の採用と併せ、見通しの良い桁下空間を実現した。

施工にあたっては、一部の区間で1250t吊りのクローラクレーンによる大ブロック一括架設工法を採用することで、架設回数を最小化し、限られた用地の中、横羽線、大黒線、高架下の街路(県道6号東京大師横浜線)への交通影響の最小化を実現した。

1250tクレーンでの夜間一括架設

JCT の一部では、大規模施設の操業に対する影響を最小限とする施工の実現のため、影響が少ない時間帯で桁架設する計画とし、移動式ベント設備を用いたT/Cベント架設工法を採用した。あらかじめ移動多軸台車上に大型ベントを組み立てておき、架設当日に移動多軸台車を架設位置まで移動させ、桁架設を実施することで施工を実現した。

多軸台車による架設

 

JCTの横羽線に接続する連結路では、横羽線の上下線に挟まれた幅4m程度の狭隘な空間での架設となるため、鋼床版の張り出し部(側床版)を折りたたみ構造とし、旧生麦入口を利用したステージジャッキと移動多軸台車を組み合わせた架設を実施した。

移動式ベント

支間長が長い区間は、ガントリーによる張り出し架設とステージジャッキを組み合わせた架設を実施した。

最後に、2001年度の横浜北線の事業化以降、約15年間にわたる建設事業に携わった皆様の多大なご協力により田中賞を受賞することができ、改めて深く敬意と感謝の意を表する。

吊り上げ張出架設

概要

設計者:[上部構造](株)長大、(株)オリエンタルコンサルタンツ、東洋技研コンサルタント(株)、日本工営(株)、IHI・川田JV、MMB・日鉄トピー・駒井ハルテックJV、オリエンタル白石(株)、三井住友建設(株)、JFEエンジニアリング(株)、戸田・日本ピーエスJV

[下部構造](株)長大、(株)オリエンタルコンサルタンツ、東洋技研コンサルタント(株)、戸田建設(株)、オリエンタル白石(株)、三井住友建設(株)、戸田・日本ピーエスJV

 

施工者:[上部構造]IHI・川田JV、MMB・日鉄トピー・駒井ハルテックJV、オリエンタル白石(株)、三井住友建設(株)、JFEエンジニアリング(株)、戸田・日本ピーエスJV

[下部構造]戸田建設(株)、オリエンタル白石(株)、三井住友建設(株)、戸田・日本ピーエスJV

所在地:神奈川県横浜市鶴見区生麦

構造形式:[上部構造]3径間連続鋼床版箱桁橋(2連)、4径間連続鋼床版箱桁橋(2連)、5径間連続鋼床版箱桁橋(6連)、3径間連続鋼床版鈑桁橋(4連)、3径間連続RC床版鈑桁橋、5径間連続RC床版鈑桁橋、6径間単純PCI桁橋(2連)、単純合成鈑桁橋(3連)、単純鋼床版箱桁橋、単純鋼床版鈑桁橋、5径間連続非合成箱桁橋、5径間連続PC箱桁橋、10径間単純PCI桁橋

[下部構造]鋼橋脚48基、RC橋脚27基、場所打ち杭基礎55基、ニューマチックケーソン基礎13基、深礎基礎7基

橋長:4,509m

架設工法:[上部構造] トラッククレーンベント架設工法、 クレーン架設工法、 送り出し架設工法、固定支保工

[下部構造] ニューマチックケーソン工法、場所打ち杭(TBH工法、オールケーシング工法、リバースサーキュレーション工法)、大口径深礎工法

工期:平成22年8月~平成29年3月