田中賞 発注者コメント④ 宮城県・気仙沼大島大橋

氏家尚宣氏

宮城県 気仙沼土木事務所 大島架橋建設班 主任主査 氏家尚宣氏

東日本大震災からの「復興のシンボル」として、宮城県が気仙沼市とともに事業を進めてきた「気仙沼大島大橋」で、名誉ある賞をいただけたことに大変感激しています。

地域住民、各種協議会・委員会、設計に関わったコンサルタント、工事の施工業者の皆様など、多くの方々のご協力とご理解があっての受賞と思います。

アーチ部架設中の気仙沼大島大橋(2917年3月末撮影)

本橋梁は、本土と離島・気仙沼大島を結ぶ橋長356mの鋼中路式アーチ橋です。昭和42年の宮城県県勢発展計画で、緊急時・救急時の交通手段の確保、島民の日常生活の利便性向上及び地域観光の振興を目的し、大島架橋事業の主要構造物に位置づけられました。

ストーリー性を持って観光誘客を促進するため、気仙沼市の名称検討委員会により、大島架橋で整備される道路は「気仙沼大島龍宮海道」、本土側トンネルは「浦島トンネル」、大島側トンネルは「乙姫トンネル」、そしてこの橋には本土側の「鶴が浦」と大島の「亀山」という景勝地からとった「鶴亀大橋」という愛称が付けられています。

維持・管理性・災害時の機能確保

工事は平成25年9月に着手、29年3月に架設し、同年10月に本体工事を完了させました。

私は同年3月、起重機船による中央径間の日に引継ぎを受け、完了まで現場担当として携わりました。設計段階を含めて、発注者側としても多くの担当者を経て完成に至った訳です。

歴代の担当者に話を伺ったところ、以下の経緯がありました。

■有識者の意見を聞く機会(設計検討委員会)を設け、維持管理性・災害時の機能確保を全国に先駆けて考慮した設計を行った。

■アプローチ道路の工事等では、様々な復興事業が併行して実施されて錯綜する重機・運搬トラック等の動きを調整した。

■漁業影響検討委員会や漁業代表者会議を設立・開催し、漁業補償を短期間で決着させた。

■起重機船による架設のため5回にわたって航路閉鎖を実施、そのための調整をした。

■定員1200人に対し応募倍率2倍以上という架設見学会を開いた。

いずれも「調整」の面で特に苦労したと聞いています。

今回の表彰を契機として、我々が行っている業務の必要性・重要性を改めて再認識しました。本体工事は終えましたが、現在、周辺の電気・水道・通信のインフラ関連工事、接続道路の整備を実施しています。供用して初めて、地元住民の方々に実感を得ていただけると考えますので、平成31年春の供用へ向け、日々業務を進めていきます。

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概要

工事名  大島架橋本体工事、工事期間 平成25年9月5日~平成29年10月17日、構造形式鋼中路式アーチ橋、架設方法起重機船 大ブロック一括架設

橋長356m、支間長24・7m+40・5m+224m+40.5m+24.7m、幅員9・5m

気仙沼大島大橋 

昭和42年の宮城県県勢発展計画に位置づけられた、緊急時・救急時の交通手段の確保、島民の日常生活の利便性向上及び地域観光の振興を目的とする、本土と離島気仙沼大島を結ぶ、大島架橋事業の主要構造物であり、橋長356mの鋼中路式アーチ橋。