首都直下型地震に備えた緊急対応訓練 首都高速

人力で運べる軽量の新型素材 速やかな道路啓開に威力

首都高速道路㈱は9月5日、首都直下型地震に備えた緊急対応訓練を実施、同社と関連会社が参加した(写真)。

訓練は首都高速湾岸線・杉田出入口付近の高架下で行われ、被害を①最大震度6弱②高架橋の支承が脱落、段差(30cm)と開き(50cm)が発生③一般車両が路面段差に接触、後続車両が滞留し、通行できない―などと想定した。

道路に見立てた高さ各50、30㎝の覆工板で橋桁を模し、同社員が折り畳み自転車で状況を確認。軽量段差修正材(軽量土のうとゴムマット、EPSスロープ)やFRP軽量渡し板をパトロール車で運び出し、路面の段差と開きを解消するため土のうを敷き、ゴムマットや渡し板で応急復旧した。

次に、無人状態の普通車をゴージャッキ2基で動かすとともに、レッカー車のアンダーリフトで車両を吊り上げ、段差を乗り越えてけん引。後続車もパトロールカーに先導されて移動した。

人力で運べる軽量の新型素材を用い、速やかな道路啓開の習熟と検証を図ったもの。同社の草刈利彦・神奈川管理局長は「大動脈の首都高速を速やかに緊急輸送路として確保することが多くの命を助けることに繋がる。一人一人の意識を統一すべく、訓練を重ねると同時に、利用者への説明も大切になる」と語った。

▼道路啓開=災害時に緊急車両を通すため、放置車両等を移動、応急復旧工事で救援ルートを開くこと。同社は平成26年、「災害対策基本法」改正を受けて「道路啓開マニュアル」を策定した。

▼軽量段差修正材=軽量土のう(約5kg)、ゴムマット(25kg)の組み合わせはパシフィックコンサルタンツと共同特許

▼FRP軽量渡し板=「FーDeck」、FRP形材と平板を接合した構造で、人力での運搬が可能。宮地エンジニアリングと共同特許

▼EPSスロープ=発砲ポリスチレンと表面保護材(FRP)を一体化、1つ30㎏程度、3つに分割して保管・運搬が可能。積水化成品工業との共同特許

▼ゴージャッキ=タイヤの下に設置、ペダルを踏むことで車体を持ち上げられる器具。1基あたり700㎏持ち上げ可能。