橋梁メンテに27兆円 堤盛人・筑波大教授ら試算

今後50年間に全国の自治体が橋梁の維持・管理・更新に必要とする「将来メンテナンス費用」は27兆円――。堤盛人・筑波大学教授らの研究グループがそんな数字をはじき出し、論文「全国の橋梁に係る費用推計の試み」(土木学会論文集F4 2017年4号)にまとめた。「道路メンテナンス年報(第4弾)」が国土交通省から公表され、自治体管理の橋梁で修繕着手遅れが課題となっているだけに、この巨額な数字は改めて注目されそうだ。

研究グループは、堤教授と古川誠氏(長大)、那須清吾氏(高知工科大学教授・学長特別補佐)の3人。

国が07年度に創設した「長寿命化修繕計画策定事業費補助制度」により、各自治体は個別橋梁ごとにメンテナンスサイクルを定めた「橋梁長寿命化計画」を策定、公表している。

しかし、計画を公表していない、または公表しても費用は示していない自治体が多いうえ、費用試算の前提もバラバラなのが実情。橋梁の維持・管理に必要な費用の把握は必要だが、公表された数字を単純に合計しただけでは、不適切だ。

堤教授らはそこで、

(中略)

この試算結果については、昨年暮れの衆議院総務委員会で佐藤明男委員(自民)が紹介し、「非常に衝撃的な数字」だとして、「小規模市町村での財源確保が困難になる可能性が非常に高い」「費用を正確に見積もる人材が小さな自治体では不足している」などと指摘した。

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国土交通省道路局は、「学」の知恵と「産」の技術を融合して道路政策の質を向上させるため、「新道路技術会議」(委員長・前川宏一東京大学大学院教授)を設置している。同会議が募集した平成30年度「道路政策の質の向上に資する技術研究開発の募集」で、堤教授の研究テーマ「地方自治体における道路維持管理業務のための道路構造物に関する情報の利活用方策」が、審査で採択された。

(全文は「橋梁通信」10月1日号でご覧ください)