橋に魅せられて 国際協力機構(JICA) 金縄知樹さん

道路AM定着に向け 包括的取組の司令塔

国際協力機構(JICA)が発展途上国向けに実施している道路アセットマネジメント(AM)。その定着に向け、包括的取り組みの司令塔的な役割を担う。

「JICA道路AMプラットフォーム」を昨秋に設立した。来年度からは、技術 協力プロジェクトに連動した長期研修を本格化させるとともに課題別研修『道路AM』を全世界向けに開始し、人材育成を展開していく予定だ。

05年から2年半勤務した「ケニア事務所」での教訓が今に生きる。「新規の案件をいくら仕込んでも、仕込んでも採択されない。言わば不遇時代だった」と振り返る。

専門家として近くに勤務していた本四高速の技術者 を相手に、愚痴をこぼす日々。が、専門家と会っているうちに、JICA職員として、どのように仕事を進めていけば良いのか、気が付いた。

「専門家が今後の方針、方向性をどう考えているかを聞き取る。職員はそのパズルを組み合わせてストーリー性を持たせていけば、独りよがりではなく、現地に必要な案件を形成 できるのです」という。その日から、ケニアのあるべき姿を同国スタッフと共に作成。後に現在でも事業中の案件につながった。

12年初夏から赴任したアフガニスタン事務所では、度々身の危険を感じた。 防弾車で通過した直後に自爆テロが発生したり、市長との面談時に爆発音を耳にしたり 。14年11月末に帰国し、現在の部署に。16年5月から現職に就いた。

父親は、南備讃瀬戸大橋の下部工に従事したゼネコン技術者だった。「幼い頃、父が現場事務所に伴ってくれたことを懐かしく思い出します。中学生の頃には、土木技術者になる意志が固まっていました」。土木技術者は昔から憧れだったのだ。

東工大院を修了後、旧・日本道路公団に6年勤務。02年9月に社会人枠でJICAに入職した。

「維持管理の奥深さが分かりました。今後はAMの定着を図り、支援する20か国のうち1か国でもモデルケースに育てたい」と意気込む。47歳。

(社会基盤・平和構築部 運輸交通・情報通信グループ 第一チーム 課長)

※橋梁通信2018・10・1号掲載