橋の魅力の伝え方に工夫 3D動画、ドローンも 青森河川国道手長地区上部工工事

「1人でも多くの若者に橋の魅力を伝えたい」

3D(3次元)アニメーション、ドローン、ボルト締め体験、そしてクレーンを使って目前で桁架設――。

200t吊クレーンが旋回する

国土交通省東北地方整備局青森河川国道事務所が9月4日に開いた国道45号上北天間林道路「手長地区橋梁上部工工事」の高校生向け見学会では、その見せ方に様々な工夫を凝らした。「1人でも多くの若者に橋の魅力を伝えたい」という受・発注者の強い思いがあったからだ。

県立青森工業高校・都市環境科2年の生徒ら36人(うち教員2人)に予定された工事現場での滞在時間は、約1時間だった。

元請・巴コーポレーションの榎本大輔所長(写真左)、同社東北支店の担当者らは、発注者・青森河川国道事務所の許可のもと、「限られた時間内で、どう見せれば、分かりやすく伝わるか」に腐心した。

同社はまず、説明スライドと3Dアニメを用意し、理解が進むように工夫。そして、鈑桁ブロック下フランジ添接部のボルト締め体験に加え、ボルト締めした桁の架設を間近で見てもらい、実物の大きさ、迫力を分かりやすく伝えることにした。

また、上空に飛ばしたドローンで集合写真を撮影し、土木工事現場でも先端技術を駆使していることもアピールすることにした。

同社は当日、現場にテントを張り、大型スクリーンを用意した。

「本工事は、鉄の橋を架ける現場です。橋にはトラス橋、吊橋、斜張橋など様々な形がありますが、ここは一般的なプレートガーダー橋(鈑桁橋)が採用されています」

榎本所長は、生徒が現場に到着する1時間前から、スライドを流しながら、こうした説明の確認と練習を数度重ねた。

見学会が始まると、橋の構造概要、現場の特徴等はスライドで説明。既に架設が完了した部分は、特別に製作した3D動画で生徒らに見てもらった。

その後、現場ヤードに移動。1次下請・日本通運の坪湧磨さんによるデモンストレーションの後、ボルト締め体験の希望者を募ったところ、何人もの手が上がった。そして、女子生徒を含む約10人が実際にボルト締めを体験。その後、生徒がボルト締めした鈑桁を200t吊クレーンで吊上げて旋回し、所定位置に落とし込んだ。

榎本所長は、小型ハンドマイクを手に生徒をそれぞれの現場に誘導し、折々の場面で作業内容を説明。生徒らの興味深そうな顔を見て、満足そうに目を細めていた。

※ドローンは、巴コーポレーションと土木技研(岩手県盛岡市、海野伸社長)が運用。3D動画は、オフィスケイワン(大阪市西区、保田敬一社長)が制作した。

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手長地区橋梁上部工工事は「Bランプ橋」(鋼単純非合成3主鈑桁橋、橋長49・5m、幅員5・5m、鋼重118t、送出し架設)と、「Dランプ橋」(鋼単純非合成3主鈑桁橋、橋長47m、幅員5・5m、鋼重106t、クレーンベント架設)の2橋を、栃木県にある巴コーポレーション小山工場で製作し、陸送。現地で地組立てして、架設するものだ。

榎本所長の話「重量的に120t吊クレーンでも対応できたが、当現場では200t吊を採用した。クレーンを据え付けるため、セメント固化剤を用いて地盤改良している。送出し架設は、事前の解析で反力管理を行い、4日間で約77mを送出した。本線橋工事など他工事と輻輳するため、部材や機材搬入の段取り等、密に連携を取ったことで円滑に進めてこられた。完工まで気を引き締めて遂行したい」