田中賞 発注者コメント⑥ ディンブー・カットハイ橋(ベトナム)

国際協力機構(JICA) ベトナム事務所長 小中鉄雄氏

この度、日本のODAで支援したディンブー・カットハイ橋が権威ある田中賞を受賞したことを嬉しく思い、日本政府が推進する「質の高いインフラ整備」に努められた関係者の皆様に感謝申し上げます。

本年5月のラックフェン国際港港湾開港に先駆けて、2017年9月に開通した本橋はベトナム最長の海上橋になります。開通にあたり、ベトナム運輸省第2事業管理局をはじめ、設計者、施工者が一丸となり苦楽を共にし、完成に向けて日々前進いただいたことが田中賞につながったものと理解しています。

今次受賞にあたり、ベトナム運輸省第2事業管理局からも「本橋梁は日越パートナーシップのシンボルです。日本政府のODA資金とベトナム政府資金により本橋と道路が開通し、カットハイ島へのアクセスが改善され、ハイフォン市東部に開発中の工業団地やハノイ-ハイフォン高速道路からラックフェン国際港への連結性が強化され、ベトナム北部の経済・社会・交通網の更なる発展が期待されます。また本事業では日越の専門家や技術者が一致団結し、大規模な工事をわずか3年間で実施しました。本工事が予定通り完成したことで、当地の他の大型工事や工業団地建設の17年度中の着工を促進しました。施工中におけるベトナム国交通運輸省、ハイフォン人民委員会、JICAをはじめとする両国の関係政府機関の協力、指導、支援、並びにコンサルタントと施工業者の努力を高く評価し感謝します」とのメッセージを頂いています。

 優れた日本の技術を採用

なお、工程短縮のためのプレキャストセグメント工法や、鋼管矢板井筒基礎等の優れた日本の技術を採用し、また、円借款で支援し、15年に完成した「ニャッタン橋建設事業」を通じて日本の建設技術、施工監理手法を習得したベトナム人技術者・技能工約70名が引き続き雇用され、効率的な施工が実施されました。

本事業を通じ、このように日本の技術が移転されたことも、今後のベトナムにおける橋梁建設に大変有意義だったと考えております。引き続き、類似の優良の円借款事業を支援することでベトナム社会経済の発展に貢献できるよう、JICAも邁進致す所存です。

【概要】

名称:ディンブー・カットハイ橋

施主:ベトナム運輸省第2事業管理局、

設計者:オリエンタルコンサルタンツグローバル・パデコ・日本工営・日本構造橋梁研究所 共同企業体

施工者:三井住友建設・チュオンソン・シエンコ4共同企業体

工期:14年5月~17年5月(36か月)

ディンブー・カットハイ橋 ベトナム北部ハイフォン市のラックフェン国際港へのアクセス道路を構成する総延長5.44km、幅員16mのPC箱桁橋で、ベトナム最長の海上橋。日本のODAのSTEP適用事業で建設され、基礎工には鋼管矢板井筒基礎やネガティブフリクション対策鋼管杭、上部工にはプレキャストセグメントのスパンバイスパン架設工法が採用された。同工法の支間60mへの適用は世界でも最大級で、ベトナムでは初の試み。