日本の技術を途上国プロで JICAセミナー

国際協力機構(JICA)は10月3日、「運輸交通ナレッジマネジメントセミナー 道路アセットマネジメント技術 ~最先端技術の技術協力への適用~」を東京都内の同機構本部で開いた。

セミナーではまず、JICA社会基盤・平和構築部運輸交通・情報通信グループ第1チームの金縄知樹課長が、我が国最先端の技術に基づいた開発途上国の指導・助言体制「JICA道路アセットマネジメントプラットフォーム」を昨年秋に立ち上げてからの経過を報告した。

そして、SIP(政府の戦略的イノベーション創造プログラム)とも連携しており、この日発表される技術6件のうち4件(①②③⑥)は、SIPインフラの研究開発テーマになっていることを紹介。「日本で開発された技術を、JICAが途上国で行っているプログラムで実行し、その経験をまた日本にフィードバックさせたい」と述べた。

技術発表は次の通り(発表順)。

①モニタリングシステム技術研究組合「モニタリング技術の活用による維持管理業務の高度化・効率化」

橋梁の維持管理にモニタリングの活用が期待されるが数多く存在する技術のマッチングが出来ていないため、採用の判断が難しい。そこで、具体的な場面を想定し、それに見合うモニタリングの方法や留意事項をまとめた「活用ガイドライン」を今年度末までに制作、来春公表予定。

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②三井住友建設「橋梁点検ロボットカメラの社会実装」

 橋梁点検ロボットには「高所型」と「懸垂型」がある。コンパクトで軽量、設置も簡便だ。カメラはタブレット端末で遠隔操作できる。光学30倍ズームで画像が鮮明、タブレット上にクラックスケールやL型定規を表示でき、画面上での計測が容易だ。

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③オムロンソーシアルソリューションズ社「省電力化を図ったワイアレスセンサによる橋梁の継続的遠隔モニタリングシステムの現場実証」

低消費電力の電池駆動と無線通信で電源施工を減らし、設置が容易なシステムを開発した。橋梁の劣化加速度やひずみの変化について、5年以上の遠隔モニタリングが可能だ。橋梁の特性を把握したカルテにより、客観的なデータを取得できる。

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④ニューテック社「コンクリート構造物の調査・診断補修工法提案」

橋梁補修で工期が短縮できる断面修復工法「なおしタル」を開発した。使用するのは、粘度が時間の経過で変化する「チクソトロピー性」を持つ高品質・高耐久のモルタル。主に湿式吹付け工法により、型枠なしで、1回で厚付け施工が可能だ。

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⑤TTES社「B-WIM及び加速度計によるたわみ計測(TWMシステム)」

TWMは、車両通過による橋梁のたわみを計測するシステム。計測器(加速度計)、データロガー、PC(表示・通信)を設置するだけ(カメラ等は不要)なので、安価。ボタンを押し、計測用の車を通すだけなので、簡易、かつ作業者依存もない。

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⑥アルウェットテクノロジー社「振動可視化レーダVirAの開発と適用事例」

レーダ技術を橋梁の振動計測などに応用する研究開発を進めている。外環道の橋梁に振動可視化レーダを設置し、そのデータを橋梁のCAD画像に張り付けると、30分ほどの作業で、主塔も含めた特定の場所の振動について知ることができる。