片山英資氏① 「土木」 技術者が社会に伝える

忙しい人である。土木学会で講演し、ドローン教習所に通い、フラメンコを踊る。もちろん仕事もちゃんとしているに違いない。結構な時間を割いているのが、「ツタワルドボク」の活動だ。中学校で橋の特別授業を行い、ラジオで土木の話をし、市民と橋の写真を撮る。公の動きのすべてを人生の楽しみにしているから、まさに公私混同。ことさらの土木広報ではない。存在そのものが土木広報と言える片山英資さんに聞いた。

若い土木人が話し合う場面を激写。片山さんはいつも人の輪の中にいる。(日本橋梁建設協会が7月18日に開催した「ブリッジトーク」で)。

   片山英資(かたやま えいすけ)氏 1972年(昭和47年)長崎県生まれ。九州工業大学工学部卒。          オリエンタルコンサルタンツ、福岡北九州高速道路公社を経て、昨年4月に株式会社特殊高所技術の執行役員に就任し、同時に個人事務所「Splice-Lab」を設立、コンサルタントや技術開発など多数の業務に従事している。

ツタワルドボクのことを話すとよく聞かれるのですが、とかく自分の専門分野にどっぷり浸かりがちで、仕事も忙しいはずの技術者が、なぜ、そうした社会的な活動をしているのか? と。ホームページの挨拶に書いたのは、土木の印象を聞いて、「知らない・興味ない」と答えられた時の衝撃です。

それは、ツタワルドボクの活動を始めた後のことでした。市民と土木技術者が語り合う「ツタワルドボク・カフェ」というイベントで、アンケートを取ったのです。「土木についてどう思いますか?」って。

そうしたら、8割もの人が「知らない・興味ない」と答えました。私たち土木技術者は、談合や癒着とか、3Kとか、厳しい指摘をされるのかなと覚悟していたのです。「嫌い」と言われた方が、まだ良かった。「好き」の反対は「嫌い」ではなく、「興味がない」なのですね。無視されているのです。土木は人々の暮らしを支えるインフラを創り、守る仕事なのに。これはショックでした。

土木と社会の壁のようなものを感じた原体験は、福岡北九州高速道路公社に勤めていた時代にさかのぼります。技術屋の世界では当たり前のように、これからは道路のメンテナンスが大変だぞ、今しっかりした投資をしておかないと将来ひどいことにになるぞ、という意識がありました。

特に都市高速道路は、1日に福岡で18万台、北九州では9万台の車を終日載せています。ちょっと通行止め、なんて訳にいきません。町中がマヒしてしまいますから。ですから、早めに早めにちゃんとメンテナンスしておくことが大事だと考えていました。今でこそNEXCOが大規模な投資をしていて、メンテナンスの重要性が社会に認知されています。しかし、公社の中でメンテナンス費用の増強が検討され始めたのは、2012年(平成23年)頃です。まだ報道で世間に伝えられることもなく、メンテナンスの機運も盛り上がっていませんでした。

その翌12年のことですが、公社は今後20年でメンテナンスに630億円投資すると記者発表しました。

ところが、(以下、略)

(全文は「橋梁通信」10月15日号でご覧ください)