3D技術 大きく変動 M‐CIM研究会 第7回技術ミーティング開く

M-CIM研究会(代表=中馬勝己・補修技術設計社長)は10月19日、東京都中央区内で「第7回技術ミーティング」を行った。

中馬代表は「3D分野は、目覚ましい技術の革新などもあり、調査・建設会社にとっては、これからの数年で大きな変動に直面するだろう。最新の装置やソフトを有効に実装できるよう、会員同士で知恵を出し合っていきたい」と話した。

当日は、会員や聴講者など約50人が参加し、1つの演題ごとに質問が複数あがるなど、活発な議論が展開された。

演題は次の通り(発表順)

真の生産性向上とは

補修技術設計・中馬社長「Microsoft HoloLensの活用について」

当社では日常業務で、現場と事務所を音声と映像でリアルタイムに通信できる「メットカメラ」を開発、使用している。現場と事務作業の間には、構造的なロスが生じる。事務所職員が、現場の画像をリアルタイムで見ながら記録するしくみが構築できればロスが減る。今までの仕事の流れを変えることこそが、生産性向上につながる。

マイクロソフト・ホロレンズを導入した。現実世界に寸法図などが投影でき、計測などができる。今後、何ができるかを研究していきたい。

複数技術で補完が重要

フジテック・新家直之次長「レーザースキャナーとPhotScanの活用例」

業務の効率化を目論みレーザースキャナーを導入したが、不十分な部分が多い。相手に何を伝えたいかという、目的達成が重要。1つで何でもできる道具はないので、複数技術で補完できる。

某市の遺跡調査でレーザースキャナーの弱点である①狭く奥行きのある個所②小さく複雑な形状のデータ取得をフォト・スキャンで補完した。

近接施工の説明に3D・CAD図面を作成したが、精度が悪く相手に伝わらない。レーザーによる点群データ画像で補完できた。

MR技術で省力化を

MRをデモ

インフォマティクス・黒坂文生リーダー「GyroEye Holoによる土木・建設現場での3Dデータ活用」

マイクロソフト・ホロレンズを活用したMR(複合現実)システム「ジャイロアイ・ホロ」を開発。建設現場で、設計図面をホログラムとして実寸で現実世界に投影し、様々な検証を視覚的に支援。干渉チェックや墨出し作業の省略など、作業工数の削減に役立つ。事務所と現場の双方で情報共有して作業でき、手戻りを省くことが可能だ。

高速道路会社グループ企業では、管内の橋梁などの保全点検、データ整備・解析をはじめ、調査設計、研究開発、工事管理などに活用している。

3Dはリアルに近い

山陽ロード工業・森川洋介室長「3次元モデルの活用」

近年、3Dを活用してきて、立地条件や計測条件によっては、活用した方が、短時間かつ高品質な成果物が可能なケースもある点に気がついた。

3D活用のメリットは、よりリアルに近い視覚情報が得られること、視点の制約を外すことで局所的な確認から俯瞰まで、その場にいながら視点を自由に変更できること、説明資料として、見栄えが良くPRにつながること、などを評価する。

課題は、やればやるほど手間がかかるので、作業性が向上すれば申し分ないと思う。

橋梁点検の支援を強化

ジビル調査設計・毛利茂則社長「自社開発の橋梁点検ロボット紹介」

当社が開発した橋梁点検支援ロボット「視る・診る」は、2016年度に国土交通省・次世代社会インフラ用ロボット現場検証(橋梁維持管理部門)で、参加21ロボットのうち最高評価(=試行的導入に向けた検証を推奨する)を受けた1つ。

橋面上での落ち着いた作業環境で安心して点検ができ、点検画像は高精細・鮮明で肉眼による近接目視以上の確認が可能だ。視る・診ると専属オペレーターが、オペ付リースの形で全国どこでも出向く。橋梁点検を強力に支援したい。

赤外線に注目集まる

前日本大学生産工学部教授・桝井睦人氏「コンクリート構造物の非破壊検査」

非破壊検査には接触型と非接触型があり、最近では赤外線サーモグラフィ法が注目されている。赤外線は、絶対零度(約マイナス273℃)以上の全ての物質から放射されている目に見えない光。放射エネルギーは、温度に比例して大きくなる。パッシブ法は、日射・外気温の変化で見ていく。

赤外線サーモグラフィ装置で、熱画像の見え方はレインボーカラー。初期にはNTTが建物外壁の損傷・劣化診断に活用した。橋梁床版など土木構造物にも適用されるようになった。