社長放談 ピーエス三菱 藤井敏道社長

中計で10年先を予測

ピーエス三菱は、プレストレストコンクリート(PC)橋のトップランナーとして、70年にわたってPC業界をリードしてきた。同社の藤井敏道社長は2年前に発表した「中期経営計画2016」(16~18年、中計16)で、他社に先駆けて10年先を予測 。橋の世界で持続的に生き残るために、多様な戦略を描いている。

 

「主力の新設PC橋は、技術力向上の観点からも中断していた海外工事部門を再開させました。ODA案件を中心に、まずは下請など参画しやすいものから積極的に取り組んで行く予定です。昨夏、6年ぶりに海外橋梁建設であるスリランカでの橋梁工事 を完工しました」

ピーエス三菱は、前身である東日本重工業(現・三菱重工業)七尾造船所時代の1951年に、日本で初めてPC工場を建設し、同年に国内初のPC橋「長生橋」(石川県七尾市、橋長10・6m)を施工した。以来、約70年、新設PC橋の担い手として、業界をけん引する。

一方、橋梁メンテナンス分野でも、NEXCO総研と共同開発した「半断面床版取替工法」をはじめ、「リパッシブ工法」「電気防食工法」「PCコンファインド工法」など、数々の補修・補強工法を世に送り出してきた。

新設も補修もトップランナーであり続ける

「当社には、新設橋梁にあこがれて入社した社員が数多くいます。維持管理が主流の時代に、やりがいをどのように持続させられるか。新設橋梁だけではなく、大規模更新等の維持・補修分野でも常にトップランナーであり続けること、つまり新しい技術への挑戦で業界をリードしていくことだと考えています」

この技術力こそが、同社をPC業界のトップランナーたらしめたとも言えよう。

技術開発には、「三菱マテリアル」グループの強みも生かしている。「ドローンを活用した橋梁上部工等構造物測量」の実用化に向けた取り組みもその一環である。

(中略)

将来的に「橋梁総合会社」を目指す

「将来的に、橋で生き残っていこうとしたら、計画段階から維持・補修までをトータルで見ていける『橋梁総合会社』を目指さざるを得ません。当面は緩やかな協力関係、もっと深入りする必要があれば資本関係を結ぶなど様々な選択肢が考えられるでしょう」

藤井敏道(ふじい・としみち)氏 1954年3月4日生まれ。64歳。76年京都大学工学部卒。77年同学部工業化学科研究室修了、三菱鉱業セメント(現三菱マテリアル)入社。 2009年6月同社執行役員セメント事業カンパニー技術統括部長。代表取締役常務、副社長、宇部三菱セメント社社外取締役等を歴任。ピーエス三菱では10年6月社外取締役、14年6月代表取締役社長に就き、現在に至る。18年5月からプレストレスト・コンクリート建設業協会(PC建協)の会長。

(全文は「橋梁通信」11月15日号でご覧ください)