赤外線検知「Jシステム」 打音点検が大幅に省力化 西日本高速エンジ四国

浮き・はく離 検出率100%

Jシステムで計測(西日本高速道路エンジニアリング    四国提供)

 

国土交通省が2巡目以降の橋梁定期点検に、積極的に活用する方針を固めた赤外線の非破壊検査技術。

西日本高速道路エンジニアリング四国(香川県高松市、矢野寛社長)が開発した「Jシステム」(NETIS登録SK-110019-VE、平成29年度准推奨技術)もその1つだ。

Jシステムは、赤外線サーモグラフィ装置でコンクリート表面の温度差から空洞の有無を感知、画像化し、浮き・はく離を特定するもの。打音点検を省力化させられる。

足場や高所作業車等を使って部材に接近する必要がない。また、大きな構造物を短時間に測定でき、その結果は客観的な画像データとして記録できる。

国交省総合政策局が実施した現場検証では、浮き・はく離の検出率100%だった。これは、これまで全数の打音検査が必要だったところを、Jシステムでスクリーニングすれば、検知部位のみ打音すれば良いことを意味する。

これらの検証結果から「橋梁における第三者被害予防措置要領(案)」(平成28年12月 国土交通省道路局国道・防災課)にも検査法の1つとして明記されている。

▼西日本高速道路エンジニアリング四国は今年8月までに、Jシステムの受注実績をNEXCO3社、本四高速、首都高速、国交省、地方自治体、米国フロリダ州などで約275万㎡に伸ばしてきた。

Jシステムの定価は約1800万円で、販売数は高速道路グループ会社を中心に22台になった。

同社とシステム保有会社は、工法の広がりを想定して2017年7月に一般社団法人「赤外線画像診断研究協会」(古川清司理事長)を設立した。

研究会は19年度以降の仕事量の増大に備え、講習会と認証試験を通じて技術水準を維持しながら、会員増と資格者増を図って工法を普及させ、市場ニーズに応えていく方針だ。