山崎エリナさん インフラメンテナンスの現場を撮影 写真集を出版へ

 写真集「インフラメンテナンス ~道路はこうして守られている~」(仮題)が今年3月に出版される。撮影したのは、女性写真家の山崎エリナさん(写真下)。世界を飛び回って幅広い分野の撮影行を重ねているが、福島市の寿建設(森崎英五朗社長)から現場の撮影を依頼されたことがきっかけで、橋や道路などの工事にレンズを向けるようになった。写真の力でインフラメンテナンスの大切さを訴えている。

 山崎さんは神戸市出身。95年の阪神淡路大震災で被災し、「家は全壊、思い出の品物もほとんど取り出せなかった」という。写真家になったのは、「頂いた命で新たな思いを残そう」と思ったから。

渡仏して3年間、パリを拠点に撮影に打ち込んだ。その後は40か国以上を旅して撮影を続けた。帰国後は写真集の出版、内外での写真展開催のほか、NHK番組のスチールカメラマンとしてダイオウイカを深海撮影など、幅広く活躍している。

インフラメンテナンスの世界に触れたのは、17年秋。「建設業の広報は内輪向き。魅力発信の新しいアイデアはないか」と考えていた森崎社長が、知人から山崎さんを紹介され、「業界を知らない女性目線のプロカメラマンに私たちと違う視点で写真を撮ってもらい、発信したらどうか」と思い立った。

 そんな縁で、山崎さんはほぼ毎月、福島を訪れて工事現場の撮影を続けた。インフラメンテナンスの現場に入るのは初めてだったが、「個々の技術力とチーム力。炎天下も雪の日も。この仕事が社会を支えているのだと、感謝しながら」撮影したという。

写真は道路や橋の補修などだったが、森崎社長は「一流のプロが撮ると、記録用の現場写真と全然違う。働く人がいきいきしている」。

昨年7月には福島市内で「インフラメンテナンス写真展 ~安全・安心と豊かさを守る人たち Story of Workers ~」を開いた。建設会社の主催らしく、人の動線はカラーコーンで示された。

約400人が訪れ、中には写真を見ながら涙を流す人が何人もいた。森崎社長は「山崎さんの作品は情感に満ちているから」。山崎さんは「技術者がプライドを持って働いている姿に触れ、感謝の気持ちを抱いたから」だと思う。

 

 

 写真展は福島の後、仙台市、また昨年12月の社会インフラテック(東京)の会場でも開かれた。

山崎さんは、阪神淡路大震災で倒れた高速道路、分断された道路が補修された復興の早さに驚いたことがある。「誰か、道路を直してくれた人がいる」とは分かっていたが、どこか間接的な感想だった。

それが、インフラメンテナンスの現場を直接、撮影するようになって、「人の力のすごさを感じた」という。

「写真だから伝えられるインフラメンテナンスがある。現場への理解を、働く人たちの誇りを、さらには日本の安全・安心を守るために大切なことを、写真の力で伝えていきたい」

 

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写真集はA5版、128ページ。価格は2000円程度の予定。問い合わせはグッドブックス

(電話03-6262-5422)へ。

(掲載写真は、山崎さんの作品「安全・安心と豊かさを守る人たち Story  of  Workers」)