忘れない 海峡横断プロジェクト 8 島原・天草・長島② 協議会コメント

島原・天草・長島架橋建設促進協議会事務局(熊本県交通政策課)のコメントを紹介する。長崎、熊本、鹿児島3県一体となった力強い活動ぶりが伺える。

 「凍結」 地元の熱意はむしろ高まる

島原・天草・長島架橋構想(三県架橋構想)は、長崎県島原半島から熊本県天草、鹿児島県長島を2つの長大橋で結ぶ構想です。

この九州西岸地域は、自然・史跡などの観光資源や豊かな農林水産物に恵まれた地域で、歴史的にも相互に深い交流があります。先日、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録され、今後、国内だけでなく、世界から、多くの観光客が訪れることが期待される地域でもあります。

島原・天草・長島架橋建設促進協議会は、長崎県、熊本県、鹿児島県及び地元期成会が中心となって、昭和63年5月の設立以降、30年間に渡り本構想実現に向けた活動を実施しています。

現在も、当協議会では、三県・地元市町村・地元関係者等が一堂に会して本構想への熱意と期待を示す地方大会(毎年開催)をはじめ、サッカー大会、絵画コンテストなどの機運醸成や国への要望活動に継続して取り組んでいます。

また、地元では自ら、地域間の交流を促進して本構想の機運を高める取組み(3県架橋推進少年ソフトボール大会(※H30年度で第20回目を迎える)、カヌー長島海峡横断大会、3県架橋推進中学軟式野球島原大会など)を実施されています。このような取組みを長年にわたって継続できているのは、本構想実現に対する地元の期待と熱意によるものです。

なお、3県では、橋梁設計の基礎となる風・地震の観測調査を継続しているところです。

本構想が実現しましたら、これらの魅力が最大限に活かされ、九州西岸地域の発展はもとより、九州の高速交通網と連携することで、新たな人・モノの流れを生みだし、九州の一体的な浮揚にも繋がるものと考えています。

また、平成28年4月、熊本は、未曽有の地震に見舞われ、高速道路、幹線道路が被災したことにより、救急・救援、復旧活動に大きな支障が生じました。この震災の経験から、代替道路や避難道路などの役割を果たす、地域間を結ぶ多様な交通ネットワークの重要性を身を持って実感し、改めて本構想の必要性を強く認識したところです。

国においては、平成20年から海峡横断プロジェクトの個別プロジェクトに関する調査が凍結されていますが、このことによって、地元が熱望する本構想の必要性がなくなるものではありません。昨年度には官民による新たな地元期成会が設立され、むしろ地元の熱意は高まっている状況です。

本構想は壮大なプロジェクトであり、国土形成計画(全国計画)においても「海峡横断プロジェクトは長期的視点から取り組む」とされています。

子どもたちの交流で機運醸成

大変厳しい現状を受け止めつつも、3県・地元が実行できる取組みを進めて熱意を持ち続けることが、今、本構想の実現において重要な取組みと考え、3地域の次世代を担う子どもたちの交流を通じて、地元の未来にとって重要な構想であるという意識を醸成する目的で取組みを展開しているところです。

今後とも、当協議会としましては、地元の皆様をはじめ、3県一体となって、本構想の実現に向けて取り組んでいく所存です。

※橋梁通信2018年12月15日号掲載