橋に魅せられて 大成建設 利波(となみ)宗典さん

「広く意見を求めて、最適解を選択する」

「広く意見を求め、その中から〝最適解〟を選択し、皆を同じ方向に進めていくのが、私の大きな役目です。部下にも様々な思いがあり、じっくり話を聞くことが大事だと考えています」

1963年に富山市で生まれた。88年に東北大学大学院土木工学専攻を修了後、大成建設に入社した。

和田山八鹿道路・円山川橋、新名神・坊川第三橋、同・生野大橋の各工事で所長を務め、2018年に本社・室長、そして部長に就いた。

生野大橋の工事現場で、協力会社の報告を1つひとつ静かに聞いていた姿が印象に残る。他者の意見に耳を傾けるようになったのは「東名足柄橋西工事」(PC斜張橋)での経験が大きい。

この現場では、会社を代表するような橋梁技術者たちから、2年目の工事係に過ぎなかった利波さんに対して「何か良い知恵がないか」と度々質問されたという。

「それは良い物を、早く、経済的に作るためなら、どんなヒントも逃さないとする先輩方の情熱でした。PC橋のイロハを学んだほか、一丸となって工事に臨む姿勢、完工後の充実感、達成感、仕事の面白さを学びました」と振り返る。

その後も、難題と向き合う現場が続いた。鋼コンクリート複合アーチ「第二東名富士川橋工事」では、課長・監理技術者として河川内にピロン柱を設置する架設計画などに携わり、事前にあらゆる事態を想定しておく大切さを学んだ。

エクストラドーズド橋「生野大橋」では、発注者の要望を汲み取り、実現していくことで、相互の信頼が生じ、円滑な工事につながることを再確認した。

本社勤務までの十数年間は、現場工事を担当し、単身赴任が長期に及んだ。「ホッと一息つくのは月1・2回、工事が順調に進んでいて、自宅に戻れた時でした」。現在、妻子と過ごす日々は新たな活力を与えてくれている。

「橋梁は設計力や技術力を伝承させられるうえ、工種が多岐にわたることからゼネコンとしての総合力が発揮できる部門です。1つでも多くの難しい工事に携わり、社会に貢献したいと思います」

(土木本部土木技術部 部長 <技術担当> 橋梁設計・技術室 室長)

※橋梁通信2019・1・15号掲載