社長放談 日本ファブテック 小野重記社長

橋梁市場でトップクラス目指す

日本ファブテックの小野重記社長は、鋼橋市場でトップクラスを目標に会社を運営する。その戦略の柱の1つとして、内製化率を高めてファブリケーターとして実力強化を掲げる。会社運営の方針や、前職時代に建築分野で大型工事を完工させてきた秘訣を語った。

「橋梁事業は会社の売上の過半を占めます。計画的に予算化、発注される公共事業という性質上、一定の利益を確保でき、安定経営のベースになる分野だと考えます」

「新設橋の発注量が減る中で、橋梁事業の売上高200億円台を確保し続けるためには、業界内でのシェアを高めなくてはなりません。

当社の受注高は日本橋梁建設協会で7~9番手ですが、工場の生産力から考えれば、5本の指、つまりトップクラスに入れる能力は十分にあります。パイが小さくなれば、シェアに応じて売上も目減りするので、200億円維持のためにもトップクラスを目指します」

(中略)

良い仕事は対価で示す

前職の清水建設時代、35年間を建築現場中心に歩んだ。幾つもの大型工事を完工させた所長として知られる。

「心がけたのは、厳しさと優しさの使い分け。厳しさとはルールづくりで、各現場に1つずつ決め事を作りました。入退場システムの徹底をルール化し、働く仲間以外は入れないようにした現場もありました。

 優しさの1つは、働きに応じた対価を還元すること。駄目な仕事には、どんなに人工が増えても予定額しか払いませんが、質が良く、早い仕事には〝よく頑張ってくれた。また頼む〟と追銭をうってあげました」

(中略)

内製化でファブ充実

日本ファブテックは2017年4月、清水建設グループの東京鐵骨橋梁と片山ストラテックが統合して生まれた。

「いかにシナジー効果を発揮し、社員の融和を図るか。東の東骨、西の片山として全国で培ってきた発注者・客先との信頼関係を、今後は一元的に集約して戦略を練ります。

営業、技術、製作、架設などそれぞれの人材は、完全に融合して配置しました。旧・片山、旧・東骨が中心という部署・地域はありません。

(中略)

鋼橋ファブのファブレス化が1つのテーマともされる昨今だが、戦略は全く異なる。

「最先端の技術を駆使して、橋梁と鉄骨の製作を続けるファブ(自社工場)の充実を図りたい。

協力工場(外注先)に任せるのではなく、内製で作り上げることが理想。工場の製造能力を一気に引き上げ、繁忙期でも内製で完結できること、それで、これまで以上に製造履歴に責任を持てる会社と言えます。納期を管理でき、客先の信用に応えられる方策と考えます」

(以下、略)

小野重記(おの・しげき)氏 1955年12月大分県生まれ、63歳。74年(昭49)大分県立大分工業高校建築科を卒業し、清水建設入社。モード学園コクーンタワー、丸の内永楽ビルディングなどの工事を現場所長として担当。2014年執行役員。18年4月日本ファブテック代表取締役社長に就任し、現在に至る。

(全文は「橋梁通信」2019・2・1号でご覧ください)