橋に咲く 日本ミクニヤ 掛 園枝さん

「橋梁点検」今わかる価値

「御社にできますか」。その問いかけに思わずハイッと飛びついた。広島県の呉高専を卒業し、2001年に日本ミクニヤに入社後間もなく営業に行った大手コンサルでのこと。当時はまだなじみが薄かった「橋梁点検」との運命的な出会いだった。

以来、野帳と4色ペンを片手に、点検ハンマーでコンクリートをたたく日が続いた。定期点検が制度化されると、仕事量が格段に増えた。現場に足を運ぶのは年に約50橋。課としてはもう5、6百橋は行っただろうか。

「損傷図は点検者しか書きません。だから、『この橋の特徴を表す損傷はこれだ』と判断、記述して顧客に納品します」

4年前には、岐阜大学が官公庁と建設業界の土木技術者向けに開いている講座でME(社会基盤メンテナンスエキスパート)の資格を取り、社外の学術系イベントに出ることも多くなった。

「今になって、仕事が面白いと思えることが増えてきました。社外の土木技術者とつながることで、橋梁点検の価値が分かってきたからかも知れません」

昨年からは同大の非常勤講師を務めるほか、維持管理技術に特化した京都・舞鶴高専の人材育成コース「社会基盤メンテナンス教育センター(iMec)」で橋梁点検の演現場習を指導している。

「先端技術だけでは確実な橋梁点検ができません。若い方には誇りをもって現場の点検技術を学んでほしい」と思う。

(大阪支店課長)

※「橋梁通信」2019年3月15日号掲載