調査報道「防食中毒」① 鋼橋塗替え工事 作業員の中毒災害 18年少なくとも8件 深刻な課題 橋梁通信調査

血中鉛が高止まり 

2018年の1年間に行われた「鋼橋塗替え塗装工事」で、鉛や有機溶剤などによる作業員の中毒災害の発生が、日本各地で少なくても8件に上ったことが、橋梁通信社の調べで分かった。

地域別では、北海道1件(鉛中毒)、東北3件(鉛中毒)、北陸1件(鉛中毒)、関東2件(鉛・溶剤中毒)、関西1件(溶剤中毒)。

塗装現場の課題は、鉛中毒の予備軍とされる作業員の「血中鉛」値の上昇、高止まり――等が挙げられる。これは、多くの塗装・防食関係企業で確認されている。

国内の橋梁は1990年までの「塗装便覧」で、鉛、クロム、タール等の有害物を含む塗料を主体に塗装系が規定されてきた。安価なうえ、高い防食性を得るためだった。

(中略)

作業員の状態を把握 マスク 適性に応じて

重防食塗装工事のうち下地処理工事を生業とするA社では、従業員・協力業者作業員30人のうち3分の1分に該当する9人の血中鉛が常時、分布3に上っている。

A社長は、2人工の現場に配置した血中鉛が高止まりしている作業員には、毎朝、顔を見て状態を把握。「場合によっては、3、4人目の交代要員を投入して、目先の利益に走らないよう心がけ、会社としては出来る限りの対策を行っている」と話す。

同じくB社では、数年前の塗替え工事で、元請支給のマスクを着用したが、一時10人中8人が血中鉛40μg/dlまで上昇した。

そこでB社長は、他の現場の知見も踏まえ、血中鉛の上昇には個人差があることを把握。一括購入していたマスクも、メーカーや形式を固定せずに、作業員個々に適したものを選定し、活用するように。

(以下、略)

(全文は「橋梁通信」2019年3月15日号でご覧ください)