一輪挿し(26)
影たえて 下ゆく水も かすみけり
浜名の橋の 春の夕ぐれ
藤原定家
拝啓 定家様 春の夕の静けさ、のどかさを歌ったと一般的に解釈されています。でも、違いますよね。ことさら人影が「たえて」としたのは、対照的に
昼は人通りが多かったことを暗示したかったのではありませんか。
(中略)
交通の要衝。そのにぎやかさを、裏から歌いましたね。技巧的な新古今調の代表的歌人とされる定家様には、こんな解釈が似合うと思います。敬具
(全文は「橋梁通信」2019年4月15日号でご覧ください)