国土交通省 森昌文事務次官 単独インタビュー 

新しい技術・工法・材料を  橋梁 耐震性の向上が重要

橋梁通信は創刊1周年に当たり、国土交通省の森昌文事務次官に単独インタビューした。森次官は、平成時代は大災害が相次ぎ、国の対策も様変わりしたと振り返り、橋梁の耐震補強が今後、さらに重要になると強調。生産性革命では橋梁業界にけん引役を期待するとともに、新しい技術、工法、材料に挑戦しないと世界の中で埋没する指摘した。また、コンペ実施や民間資金の活用については、業界自らが知恵を出し、チャレンジしてほしいと呼びかけた。

i-Con 橋がけん引を

森次官は冒頭、平成の30年間を「かつてない大災害に襲われ、国の対策も様変わりした時期だった」と振り返った。とりわけ、95年の阪神大震災で高速道路の高架橋が横倒しになった姿をテレビで見た時は、「これが現世の姿か」と目を疑ったという。橋梁の耐震化・減災化の技術的な面でも、エポックメイキングな地震だったと位置付けた。

国は「国土強靭化のための3か年緊急対策」に乗り出しているが、森次官は「ここ数年の雨の降り方は国難に近い災害」とし、今回の3か年計対策だけで「国土の新しい姿を見せようという大それたことは考えていない」と強調。むしろ、「問われるのは、3年後はどのような対策を行うか」だと述べた。

そのうえで、緊急輸送道路に位置する橋梁や長大橋の耐震補強を重要課題に挙げた。

生産性革命については、特に鋼橋はもともと工場内での作業が多いこともあり、国交省が所管するインフラの中でも橋梁は「特に進んだ分野」と指摘し、「i-Con全体のけん引役を橋梁分野の方々に担って」ほしいと期待した。

他分野、例えば運輸部門でもドライバーの減少・高齢化でトラックのダブル連結などを進めているが、その際、橋梁がウィークポイントになることがあるという。具体的には、過積載による橋梁の疲労が問題で、対策の検討が必要とした。

森次官はまた、橋梁業界に厳しい注文も付けた。

部分係数設計法の導入が欧米より遅れたことを指摘するとともに、「橋梁の材料もまったく新しいモノが普及しない点にも疑問を感じる」と指摘。「新しいモノが何も進まないのでは、世界に出ようとした時に取り残されてしまう」と危機感を表明し、どうしたら「新しい技術、工法、材料」という「まったく手付かずの領域」を使っていけるか、考えてほしいと強調した。

また、入札のコンペ方式の要望が業界の一部にあることには、業界の知恵を借りたいと要望。民間資金活用など新しい手法については、業界のチャレンジを求めた。

(インタビューの詳報は「橋梁通信」2019年4月1日号でご覧ください)