「浜出し」気仙沼へ 宮地エンジニアリング 千葉工場 深田サルベージ建設の「富士」で

宮地エンジニアリング(東京都中央区、青田重利社長)の千葉工場(千葉県市原市、河西龍彦工場長)で制作されていた三陸沿岸道路・気仙沼湾横断橋(仮称)主塔の「浜出し」が、4月19、20の両日行われた。(写真左)

主塔は、高さ100m、重さ1200t(仮設備を含めると1500t)。浜出しは深田サルベージ建設(大阪市港区、三崎幸三社長)が担当し、台船への移動に3千t級フローチングクレーン(大型起重機船)「富士」が使われた。

◇      ◇

巨大構造物の移動には、細心の注意が幾重にも求められた。4月19、20日に宮地エンジニアリング千葉工場の岸壁で行われた気仙沼横断橋(仮称)主塔の「浜出し」。風速の海事予報への注意、そして台座に固定させる際はミリ単位の調整が必要だった。

「昨夜はずっと風の予報を気にしていた」と、河西龍彦・同工場長。4月初めの予定が強風で中止となり、19日も当初、強風の予報だったからだ。この日は主塔上段の予定だが、秒速9mを超える風だと、クレーンでつるした際に揺れて危険だ。7-8m程度に収まりそうとの予報で、今回はゴーサインが出た。

深田サルベージ建設の3千t級フローチングクレーン「富士」が岸壁に近付いた午前7時頃、玉掛け作業が始まった。8時には主塔上部のつり上げが始まり、十分な高さに達すると「富士」が沖側に移動、岸壁との間を空けた。

そこに台船が入り、今度は主塔上部が下がり始める。

固定される台座に主塔上部が近付いたのが9時前。クレーン作業は1時間足らずであっさり終わると思われたが、台座まで数10㎝のところで動きが止まった。(写真下)

トラブルがあった訳ではない。ヘルメット姿の人たちが、主塔上部と台座の位置を慎重に見極める。

そして取り出したのが、メジャー。両者をピタッと合わせるためミリ単位の調整が続き(写真右)、主塔上部は9時半前に台座に収まった。

翌20日には主塔下部も浜出しされ、気仙沼へ。5月の連休明けには現地での組み立てが行われる予定だ。

気仙沼横断橋の上部工工事の受注者は、MMB・宮地・川田特定建設工事JV。

※「橋梁通信」2019年5月1日号掲載