橋に咲く 宮地エンジニアリング 伊藤奈穂美さん

「溶接の宮地」 いつか私が支える

 

敷地面積17万6680㎡、東京ドーム約3・8個分という広大な宮地エンジニアリング千葉工場。

その中でも「大型」と呼ばれる組立場で、春のある朝、身長149cmのひときわ小柄な溶接工が、溶接トーチを手に青光りと火花を発していた。

鋼箱桁ウエブと底板をつなぐ「フルペネ溶接」を進めているところだ。

「溶接の宮地」110年の歴史で、初の女性溶接技能工として5年前に入社した。高校時代の溶接講習で、講師から「筋がいい」とほめられたことが背中を押した。

3年目までは仕事が楽しかった。それが今は「仕事が苦しくて」。でも、弱音ではない。技術が上達し、難しい仕事を任されるようになったからだ。

福岡県・筑後川橋の大断面部材は、溶接量が多く、納期も短かった。失敗が許されない中で、ミスを連発してしまった。

それでも先輩や上司は叱らない。「なぜ、そうなったのか」。理論的に説明してくれた。そんな職場環境が、「仕事を休もうか」とさえ思い詰めた心を支えてくれた。くじけては、いられない。

「目をそらしても、同じ壁にぶつかるだけ。少しずつでも技術を身につけたかった」

これまで半自動溶接の資格(SA-3FVH)だけだったが、今年2月に被覆アーク溶接の資格(A-3FV)も取得、階段を1つ上った。後輩もできた。「早く先輩に追いつきたい」。夢は広大な工場に似合って大きい。

(千葉工場製造部 製造グループ後段作業溶接班)

※「橋梁通信」2019年5月15日号掲載