国交省内の書店ベストセラー「お迎えに上がりました。」 著者・竹林七草さんに聞く

そこにいたのは、実直そうなスーツ姿の中年男性だった。

「竹林七草」というペンネームだけでは男性か女性か分からないが、本のカバーはスカートが翻るイラストだ。ストーリーは「第2新卒」の女性の1人語りで進む。しかも、若い女性の途切れないおしゃべりを聞いているような、若い頃の吉本ばななさんを思わせる文体である。

もちろん美人作家の登場を期待したわけではないけれど。

東京・神田神保町の古書店街に近い集英社の会議室。国土交通省内にある書店のベストセラー小説「お迎えに上がりました。」(集英社文庫)の著者・竹林さん(写真左)にインタビューした。

舞台は、国土政策局「幽冥推進課」。死んだ土地に様々な事情で縛られて「不法占拠」し、施設や交通網に悪影響を与える「地縛霊」に立ち退いてもらうのが仕事だ。

第3巻まで物語を紡いできた竹林さんは、42歳。ペンネームは「竹林の七賢」にちなんだ。いわゆるライトノベルでデビューしたのが2011年。専業作家ではない。サラリーマンとの兼業だから、インタビューのアポは午後7時。それも最初の機会は「急に会議が入った」で流れた。

第1巻「橋と柱と人柱」の章を読むと、土木に詳しそうだ。業界の方ですか? そう聞くと、笑いながら「いえ、土木は素人、全く関係ない業種です」。

では、役所や現場で取材したのですか? またも笑いながら「いえ、本を読んで勉強しました」。

こうなると、興味がしぼむどころか、逆に「なぜ?」が膨らむ。

(中略)

第4巻を執筆中だ。かつては門外漢だったが、今は土木インフラの老朽化も気になる。「ぞっとしますよ。寒気がします。以前は他人ごとでしたが」。だから、橋の老朽化を巡る物語を展開するという。

(全文は「橋梁通信」2019年5月15日号でご覧ください)