横丁(32)ウォータールー橋は深い霧に包まれて

ウォータールー橋は、悲劇の場面で深い霧に包まれていた。映画会社を勤め上げた友人に「橋に絡んだ映画のベストは?」と聞いたら、ちゅうちょなく「哀愁」と答えたので、早速買い求めたDVD。原題は、霧の橋の名前そのものだった。ロバート・テイラー、ヴィヴィアン・リーという往年の美男美女が橋の上で出会い、戦争に翻弄される。水野晴郎さんは「1場面、1場面が歴史に残る名作」と評した。映画は、

(中略)

物語中の橋と違う。1940年公開のハリウッド映画。後で調べると、橋はその数年前から架け替え工事が始まっていた。初代は映画通りの石造アーチ橋。2代目はどの写真を探しても柱はないが、映画ではトラスらしき斜めの鉄柱が見える。戦時中の制作だし、工事中なので適当なセットを作ったとするのは失礼だろう。マーヴィン・ルロイ監督は回想場面の橋にどんな意図を込めたのか。橋は深いナゾの霧に包まれている。

(全文は「橋梁通信」2019年7月1日号でご覧ください)