橋に咲く ホルス 板橋由美子さん(2)
私を現場に招いた あの夏の日
身長153㎝の細身は、橋梁点検で強みになる。「幅が40㎝あれば箱桁の中にも入れます」。
女性が「汚い、臭い」と敬遠しがちな現場もいとわない。

狭い所は任せて
「ハトはよく桁の中に巣を作る。卵を踏んでしまったことも」。
現場を直接、自分の目で見ないと、納得できない。

安全対策はもちろん十分です
損傷の原因を突き止め、それに合った補修設計をする。ホルスが扱う現場は「全部、見ました」。
でも、あの夏の日、故郷の駅前再開発で土木の現場を目にしなかったら――。
ヘルメット、首のタオル、ニッカポッカ。陽光が焦がす光景を、「ずっと、見ていなければならないような感覚に陥って」。
医師か薬剤師をぼんやり志していたが、茨城大工学部に進んだ。
橋梁設計に携わる建設コンサルタントを経て、ホルス入社は7年前。面接官の和田克哉社長が「『これからは補修の時代』だと私よりたくさんしゃべった」。

大きな男性陣に交じって
そんな「熱量の高い会社が天職」だと、いま思う。

ちゃんと押さえてね
南仏の天空に浮かぶ斜張橋「ミヨー高架橋」にあこがれていた。3年前に訪れ、「絵画のような橋を見て」、建設・管理の担当者から話を聞いて感じた。
「やっぱり、土木って楽しい」と。
小柄で細身で、だからこそ「体力が必要」と思う。
「現場では『よいしょ』なので」。
時間を作っては、ウォーキングやヨガ、ゴルフに精を出す。
放っておくと現場で手袋をしていてもボロボロになる爪の手入れも怠らない。茨城県出身。
(技術調査部技術課長)
※「橋梁通信」2019年7月15日号掲載(現場写真はホルス提供)