主張(35)22世紀の国づくり 問われる今   土木学会「22世紀提言」⑤

(前略)

「22世紀の国づくり」とは、すなわち「現在の国づくり」なのである。今できなくて、22世紀に突然、素晴らしい国づくりができるはずもない。22世紀は先だと思っていると、6月15日号の小欄で指摘したように、「議論に時間をかけているうちに、それこそ国難級の災害に襲われかねない」。

22世紀ではなく、今の問題として物事をとらえたい。

「提言」の端緒となった高橋裕・東大名誉教授の「土木技術者が認識すべき」問題提起2点のうち、まず人口減少は当面、地方で顕在化しているという観点から、論を進めてきた。問題提起のもう1点は、気候変動とそれに伴う異常気象である。

九州南部を先に襲った記録的な大雨の際、メディアは「鹿児島市全域59万人に避難指示」などと、ある意味で行儀正しく、もちろん公式の情報を頻繁に伝えた。

その一方で、ツイッターなどネット上にはある意味で行儀が悪く、もちろん非公式の「本音」が流れた。

「59万人分の避難所があるのか」「行政の責任逃れ、アリバイ作りだ」「昨年の西日本豪雨では、避難指示が遅れて後に非難された自治体もあったから」などだ。

一般メディアでは異例だが、「どこへ逃げればいいのか、渋滞で身動きできなくなるといった戸惑いが多く聞かれた」(7月7日朝日新聞)という率直な指摘もあった。

これは、何を意味するのだろうか。

(全文は「橋梁通信」2019年8月15日号でご覧ください)