ブラスト施工技術研究会 韓国の長大橋を視察 小寺健史、池田龍哉氏ら

 国は違えど「技術者」は分かり合える

ブラスト施工技術研究会(会長=小寺健史・極東メタリコン工業専務)は7月15―17日、韓国・釜山市を訪問し、全長7㎞を超す長大橋・広安大橋のブラスト施工現場を視察した。「ブラスト技術は世界で広く採用されている」「国は違っても技術者は分かりあえる」。鋼構造物の長寿命化に貢献する使命感をさらに深める研修となった。(写真は同研究会提供)

小寺健史団長に聞く

小寺団長(右)

ブラスト施工技術研究会としては、2回目の海外視察になった。(第1回目は2016年1月、アメリカのゴールデンゲートブリッジ)

今回の視察は、韓国釜山市にある広安大橋という、

足場内で意見を交換

全長7㎞を超す長大橋での塗装塗替工事であり、その中のブラスト+塗装の現場だった。

残念ながら工事の進捗上、ブラスト作業は終わっており、実際の施工中の現場視察はできなかったが、ブラスト作業責任者のチャン氏や塗装作業責任者のキム氏がわざわざ立ち会ってくれ、我々の質問に真摯に答えてくれた。

その中で、日本と韓国の施工や足場の違いなど、様々な意見交換ができた。

例えば足場で言うと、日本は吊足場をチェーンで吊るが、韓国ではワイヤーだ。ブラストも、韓国では国産スラグ「PS-BALL」というショット系の研削材を使用していた。日本にはない商品である。

釜山も日本と同じような問題を抱えており、特に塩害が問題だと言っていた。いかに塩分を除去し、高品質の再塗装をするかで苦慮していた。

その辺りも含め、当研究会としては、互いの情報交換や、現場の視察で相互協力していき、より良い品質のブラストや再塗装を提供できるようにして行きたいと思う。

行く行くはアジア各国と連携を深め、アジア独特の高温多湿、塩害などの環境を考慮した規格を構築しても面白いのではないかと考えている。

今回の訪韓で日韓の「施工者」が交流を図れたのは、非常に意義が大きい。現場の視察後は酒宴も開いていただき、道路管理者・大学関係者・施工者も同席して熱い「日韓戦」が行われたことも、あわせて有益な時間となった。

 

池田龍哉副団長に聞く

池田副団長

広安大橋の視察で様々な収穫があった。

韓国では従来、コンクリート橋が多く、

ブラスト関連設備を前に

鋼橋の数は少なかったが、広安大橋に代表される長大橋で鋼橋が増えてきている。

そうした背景から、鋼橋の維持補修は試行錯誤の段階。特に塗料の選定・鋼材表面塩分の管理などで苦労されていた。鋼材表面塩分の除去は、かなり真面目に取り組まれていた。

外国の同業視察団を受け入れるのはとても大変だったと思うが、快く受け入れてくれ、施工に関して詳細に包み隠さず課題や対策のディスカッションに応じてくれたことにとても感動した。

国は違えど「技術者」は分かり合えると感じた。

視察参加者(敬称略)

社 名 所在地 業種 参加者 研究会役職
極東メタリコン工業 兵庫県宝塚市 施工 小寺健史 会長
池田工業 北海道北斗市 施工 池田龍哉 事務局長
吉原鉄工所 広島県尾道市 ブラスト機材 吉原慎二 会計
シンテック 仙台市 施工 細川円 理事
松草塗装工業 岩手県釜石市 施工 伊東公一 理事
山川産業 兵庫県尼崎市 研削材 河原淳人 理事
塗装内田組 新潟市 施工 内田仁 会員
コーケン 横浜市 施工 天野立春 会員
リッジテック 静岡県富士宮市 施工 望月功騎 会員
拓磨工研 千葉県袖ケ浦市 施工 前田拓馬 会員
タカミヤ 大阪市 足場 金ジフ 会員

 

※「橋梁通信」2019年8月15日号掲載