浅草と東京スカイツリーを結ぶ ここにも日綜産業「クイックデッキ」 墨田川橋梁 歩道橋併設

隅田川橋梁に設置されたクイックデッキ

東武鉄道は、東武スカイツリーラインの浅草―とうきょうスカイツリー間、隅田川に架かる隅田川橋梁に歩道橋を併設する工事の足場に、日綜産業のクイックデッキを採用した。

スカイツリー側の張り出し部

浅草とスカイツリー周辺の水辺空間に複合施設を整備するプロジェクト。

一帯の回遊性を高めようと、東武鉄道が急きょ、昨年10月に歩道橋の設置を決めた。

鹿島建設が受注した。

「東京2020」前の来年3月末を完成目標とし、計画、設計、施工を同時進行で行う。

通常の半分以下の工期で、90歳のトラス橋に約100tの鋼製歩道橋を添加するという世界的にも例のない工事だ。

隅田川橋梁は橋長166・12(中央径間64・01)m、3径間中路カンチレバーワーレントラス橋。鋼材重量910t。機関車荷重で設計されている。

歩道橋は有効幅員2・5m。主鋼材にアルミ床版を乗せ、ウッドデッキで化粧する。高欄はアルミ製。トラス橋梁の下弦材で歩道橋の重量を受ける構造にした。デザインはフランスのポンデザール橋をイメージ。色はスカイツリーカラーに統一される。

大半を下流側に設置するが、桁下部を移動し、上流のスカイツリー側からアプローチする。

「クイックデッキは安全性が高い」

藤田所長

吊り足場は当初、在来工法で計画されていた。

しかし、墜落の危険性が高いことから、工事を担当する鹿島建設東部営業所リニューアル工事事務所の藤田浩行所長が、仮設の作業フロアが平たんに構築でき、安全性の高いクイックデッキの採用を東武鉄道に打診、採用された。総面積は約4000㎡。

藤田所長は「クイックデッキの安全性を高く評価している。作業中、墜落の危険性・河川への飛来落下も軽減される。従来工法より足場材料単価は高いが、床を手延べ式で作ることにより、施工手間がかからず、工期を大幅に短縮できる。架設平米が大きくなるほどコストダウンが図れるため、当現場ではプラスになると試算した」と話している。

クイックデッキ 日綜産業が6年前に米国から導入し、600現場以上の実績がある。現在も100現場以上で稼働中。チェーンピッチが最大5m飛ばせ、吊元、アンカーの数を大幅に減らせる。設置・解体で約3分の1の時短が可能。最大350㌔/㎡の荷重に耐えられる。NETIS令和元年度・準推奨技術に選定(TH―150007―VE)。

※「橋梁通信」2019年9月15日号掲載