主張(39)「既視感」たっぷりの記述が続く 「荒廃するアメリカ」を読む②

「既視感」は時系列的に言えば、新しいものに触れて、「以前にも」という感覚だろう。今回は道路メンテナンス年報を見た後に「荒廃するアメリカ」を読んだので、順が逆になった。古典を読んで今の問題を考えるのと似ている。

この本はアメリカのインフラが荒廃している様子を報告し、その原因として、公共事業費が1965年から77年の12年間に21%も減ったと指摘している。既視感は、ここにもあった。国土交通省は8月に来年度予算の概算要求を公表した。その資料に「公共事業費(政府全体)の推移」が添えられている。

それによると、

(中略)

さて、同書で興味深いのは、ただ単に公共事業費が減ったということではない。

「政府の支出は、この期間中に顕著な増加を示してきた。にもかかわらず、公共施設への連邦政府の投資は、相対的にも絶対的に見ても減少を続けてきた」との指摘である。

どういうことか。

「連邦、地方を問わず、あらゆる政府レベルで次のことが慣習化した」というのだ。すなわち、「増加し続ける社会サービスに資金を回し、その結果、予算収支のつじつまを合わせるために、建設や改修や維持管理の予算を削減すること」

またしても、既視感に満ちた文章である。本当に83年の出版なのだろうか。

(全文は「橋梁通信」2019年10月15日号でご覧ください)