橋に魅せられて サーフェステクノロジー 増田 健康(たけやす)さん

表層技術の開発に特化

サーフェステクノロジー、つまり表層技術をそのまま会社の名前にした。「構造物のメンテナンス分野で、表層技術に特化した会社を作りたくて」。

賛同してくれた建設会社、機械・材料メーカー、道路・鉄道会社OBなどから出資を得て設立したのが、2017年末のことだった。

それから短期間で、高効率と少人化を実現したミストジェット装置や自動塗装装置などを次々に開発した。高速道路で、壁高欄の表層保護塗装に活用されている。

「新しい仕事を生み出していく過程で、モノを販売するより、発注者や設計者が困っていることに対し、技術力やノウハウなどのサービスを提供することが本当に求められていると学びました」

原点は25年前にさかのぼる。大和高分子工業(現・ダイフレックス)に入社し、11年目を迎えた時のこと。建築改修に革新的なウレタン樹脂による防水技術を導入したパイオニアで、同社創業者の三浦慶政社長(当時)から、新しい事業のタネを探せ、と指示を受けた。

折から、国が公共建築物の改修工事について「標準仕様書」を策定するなど、建築分野に改修マーケットが育ちつつあった。高密度ポリウレタンなどの高分子樹脂によるメンブレン塗膜のコンセプトを土木分野に応用しようと着想し、部下と2人で市場作りからスタートした。

超速硬化ポリウレタン樹脂系「SQS防水材」の開発・標準化に力を注ぎ、国内外へ普及させた。累計実績は150万㎡を超えている。ダイフレックス社の土木材料ブランド「レジテクト」の事業開発なども手がけてきた。

かねて持論があった。「コンクリート構造物への水の浸入を防ぐことが、延命化のための予防保全に大きな役割を果たす」。防水被膜の重要性を、様々な場で主張してきた。「現在は広く認識され、常識になった。まさに隔世の感」と振り返る。

30数年間務めた前職は、取締役土木本部長を経た後に退職・独立した。それまで、自他共に認めるモーレツ社員。今はガレージ改造で気分を転換し、妻との旅行を楽しむことも増えた。埼玉県生まれ。58歳。

(社長)

※「橋梁通信」2019年10月1日号掲載