台風19号 橋梁に甚大な被害(1)
東日本を襲った台風19号により、少なくとも50橋(10月29日現在)で流出や損壊などの被害があったことが、橋梁通信社のまとめで分かった。
調査が進めば、被害はさらに拡大するとみられる。
東京・日野橋が

日野橋は途中で折れたように見える。橋脚にはゴミが残る

日野橋の路面が陥没している
東京都では、立川市と日野市間の甲州街道・多摩川に架かる日野橋が、通行止めになっている。
橋長約367mの鋼20径間単純I桁橋。
洗掘で橋脚1基が沈み込み、路面が陥没、段差ができており、波打っている状態だ。
地区が孤立 橋の役割改めてクローズアップ
福島県矢祭町では、1級河川・久慈川に架かる延長約81mの高地原橋(たかちはらばし)が崩落した。川の水位の上昇で流木などが上部工にかかったことが原因とされる。
同町の高地原地区は、橋の崩落で孤立状態にある。鉄橋の線路脇を徒歩で渡るのが唯一の手段だという。生活に欠かせない橋の役割が、改めてクローズアップされた。
海野宿橋 直轄代行で復旧へ 政府決定

千曲川の増水で崩落した海野宿橋(読者提供)
長野県東御(とうみ)市では、海野宿橋(うんのじゅくばし)など4橋が被災した。
同橋は1級河川・千曲川に架かり、橋長約69m。
市建設課土木係は橋梁通信の取材に対し、「河川の増水で護岸が浸食され、橋の一部が崩落した」と答えた。
政府は10月25日、総理大臣官邸で「台風19号非常災害対策本部会議」を開催。大規模災害復興法を適用し、長野県東御市の海野宿橋など自治体管理の道路6カ所を直轄代行で復旧することを決めた。
※「橋梁通信」2019年11月1日号掲載