橋に咲く 金秀鉄工 喜屋武(きゃん)智子さん

3次元CADで橋梁飛躍に貢献

「会社の橋梁部門を飛躍させた人」と、社内の皆が口をそろえる。

72年の歴史を持つ沖縄有数のファブ、金秀鉄工。かつて売上は建築が7割で、橋梁は鈑桁が中心だった。

そこへ、橋梁部材を工場で製作するための原寸作業に3次元CADを使う方法を持ち込んだ。「3年前のことです」。それから工場は他の形式も作れるようになり、受注幅が格段に増えた。

琉球大学で土木を学んだが、「就職氷河期でした」。愛知県のCAD専門学校で半年間学んだ後、沖縄に戻って火力発電所工事の現場事務所で6年間、派遣のCADオペで働いた。その経験が今、生きている。

例えば、工場製作のポイントである溶接の溶け込みでは、ある部位に応力が集中するので、十分に気を付けて行う必要があるが、3次元CADだと一目で分かる。社外プレゼンでも、3次元CADは有効だ。

今年10月に延伸した沖縄都市モノレール・石嶺駅駅舎工事(宮地エンジニアリングとのJV)で、モノレール事業では県内で初めて、ラケット橋脚のダブルデッキ構造を採用した。土地の制約がある時に活用される。テニスのラケットに形が似ていることからそう呼ばれるが、25t規模は同社の工場で過去最大だった。

入社7年で、今年4月から現職。工場に指示する重要な立場となり、後進の育成と製作の効率化にも注力する。

延伸したモノレールに乗った。「利用者の喜ぶ顔に、自分がやったと言いたくなった。この土木の楽しさを後輩に伝えたい」。

(生産本部 生産部 製作課 主任)

※「橋梁通信」2019年11月1日号掲載