Inside サビバリヤー 防食の新しいうねり ②

メーカーになる 工程数を減らす

サビバリヤー試験板ばく露状況を観察する                               細渕課長

「メーカーになりたい」

エコクリーン(三重県松阪市)の細渕利明社長(60)には、そんな悲願があった。鋼構造物の内部からさびを無力化させる黒さび転換型防食塗料「エポガードシステム」を成長させたとはいえ、製品は他社が作り、自らは総販売元の立場だ。

「受・発注者の双方に喜ばれる材料を目指し、常に改良したい。メーカーになれば、小回りを利かして多様なニーズに対応できる」

新製品を開発し、普及刺させよう――。

課題は、工程数を減らすこと。

瀬古橋の塗装記録表

黒さび転換型塗料は、1日で素地調整から下塗剤の塗布までを行なう。連続施工のため、工程数を減らせば、1日当たりの施工面積を伸ばせ、品質も向上する。

実績がすでに13件に上り(今年7月末現在)、山梨県・瀬古橋など直轄や自治体の管理橋塗替えに採用が広がり始めた「サビバリヤー」(NETIS登録CB-170003―A)。開発が本格化したのは、4年前だった。

任されたのは、当時まだ入社2年目の細渕太志課長(28)。開発担当者と一緒に、チャレンジを続けた。

「工程数を減らせば乾燥時間を長くでき、品質を向上させられる。手間も減らせるので、1日当たりの施工面積を伸ばせる」

そう考えて試行錯誤を重ね、下塗剤にエポガードシステムと同じキレート剤やタンニン酸を含有させることに加え、リン酸など複数の素材も配合した。「これで還元作用と初期付着力が向上した」という。

従来は素地調整後に3工程が必要だったが、サビバリヤーでは同等の防食性能を保持したまま、工程の1つ省略化に成功した。塗装面積千当たり45人工となり、これまでより5人工減らすことができた。

量産化にも成功した。それは、細渕社長の悲願だった「メーカーになる」を実現した瞬間だった。  (続く)

※「橋梁通信」2019年11月1日号掲載

 

 

写真説明

  1. サビバリヤー試験板ばく露状況を観察する細渕課長
  2. 瀬古橋の塗装記録表