2019年11月4日 / 最終更新日時 : 2019年11月4日 橋梁通信 一輪挿し (橋の詩心 季節の花添え) 一輪挿し(40) 天の川 紅葉を橋に わたせばや たなばたつめの 秋をしもまつ 詠み人知らず 天の川に紅葉の橋が架かるのだから、これこそ長大橋。もう一度頻繁に聞きたい「海峡プロジェクト」でさえ、スケールが小さい。そして、美し […]
2019年11月1日 / 最終更新日時 : 2019年11月1日 橋梁通信 一輪挿し (橋の詩心 季節の花添え) 一輪挿し(39) 和の奏 かがり火ともにてらしだす 錦帯橋は ゆめのかけはし 塚本奏未 作者の名前は「かなみ」さんと読むのだろうか。川面のかがり火にゆらめく名橋は、和を奏でているのだと歌った。 炎が共に照らし出すのは、 (中 […]
2019年10月10日 / 最終更新日時 : 2019年10月10日 橋梁通信 一輪挿し (橋の詩心 季節の花添え) 一輪挿し(38) 澄み渡る 心も清し 白妙(しろたえ)の 浜名の橋の 秋の夜の月 藤原公俊 橋から見る月は、絶景だったのだろう。 白妙と言うのだから、すべてが澄み切って、白い。 私の心も清くて白いと歌った公俊は、 (中略) […]
2019年10月10日 / 最終更新日時 : 2019年10月10日 橋梁通信 一輪挿し (橋の詩心 季節の花添え) 一輪挿し(37) 鳥渡る 橋の名前を 確かめつ 大塚迷路 秋に増える渡り鳥。 橋の名前を確かめながら飛ぶとは、しゃれた鳥だと感心して出典をみると、「吟行ナビえひめ」という俳句の投稿サイトだった。 選者はTVでおなじみの夏井いつきさん。 と […]
2019年9月8日 / 最終更新日時 : 2019年9月8日 橋梁通信 一輪挿し (橋の詩心 季節の花添え) 一輪挿し(36) 橋多き 深川に来て 月の雨 永井龍男 下町・深川辺りは川や運河が流れ、橋も多い。 「来て」と言うのだから、何かの目的があった。 その行き帰り、水面にきらめく名月を橋の上から見たかったのかも知れない。 でも […]
2019年8月24日 / 最終更新日時 : 2019年8月24日 橋梁通信 一輪挿し (橋の詩心 季節の花添え) 一輪挿し(35) 秋の日の 瀬多の橋ゆく 日傘かな 鈴木三重吉 秋の日に夏の季語の日傘? とつい書きたくなるが、三重吉という児童文学の父の前で、そんな野暮はやめよう。 むしろ、月ごとに定めた季語の方が野暮なのだ。 だって季節 […]
2019年8月15日 / 最終更新日時 : 2019年8月15日 橋梁通信 一輪挿し (橋の詩心 季節の花添え) 一輪挿し(34) 木の橋の 月に明るき 盆休み 鷹羽狩行 名月を詠むなら中秋。作者はなぜ、お盆を選んだのだろう。 「休み」がキーワードだと思いたい。 帰省か休暇か。 いずれにせよ、酒が体にしみた夜の方がいい。 外に出たら、月 […]
2019年8月15日 / 最終更新日時 : 2019年8月15日 橋梁通信 一輪挿し (橋の詩心 季節の花添え) 一輪挿し(33) 涼しさに 四つ橋をよつ 渡りけり 小西来山 4つある橋を4つ渡った。ただそれだけを詠んだのに、何とも言えない趣を醸し出すのは、なぜだろう。 2つの堀が交差する場所に、4つの橋が架かっていた大阪の「四つ橋」。 […]
2019年7月8日 / 最終更新日時 : 2019年7月8日 橋梁通信 一輪挿し (橋の詩心 季節の花添え) 一輪挿し(32) 雨上がり 空に架かった 虹の橋 窓辺で笑う てるてる坊主 平南瑠香 梅雨明けはいつになるのだろうか。 窓辺のてるてる坊主はしばらく、面目なさそうな様子だった。 でも、雨が今あがって、 (中略) 札幌・中島公 […]
2019年7月8日 / 最終更新日時 : 2019年7月8日 橋梁通信 一輪挿し (橋の詩心 季節の花添え) 一輪挿し(31) 梅雨ふかし 塗りたる橋に 竹煮草 飯田隆太 (前略) 難解な句である。竹煮草は、高さが2mにもなる野草。白または赤みを帯びた地味な小花を夏に咲かせる。 「たる」で、「塗り」が強調された。 やはり、強い朱色か。 雨にけぶっ […]
2019年6月13日 / 最終更新日時 : 2019年6月13日 橋梁通信 一輪挿し (橋の詩心 季節の花添え) 一輪挿し(30) 梅雨曇 橋がつなげる 町の音 佐藤脩一 橋は2つの地点をつなぐ構造物だが、なるほど音もつないでいるのか。目には見えない音の波が橋を渡っていく場面を思うと、不思議な感覚に陥る。 しかも、それは「町の音」。さざ […]
2019年6月13日 / 最終更新日時 : 2019年6月13日 橋梁通信 一輪挿し (橋の詩心 季節の花添え) 一輪挿し(29) 一の橋 二の橋ほたる ふぶきけり 黒田杏子 早、ホタルの便りが届く季節。「一の橋」「二の橋」は東京・港区の地名かも知れないが、ここでは、どこかの里の橋と解釈したい。一つ目の橋、二つ目の 橋┅┅。川を縫うよ […]
2019年5月3日 / 最終更新日時 : 2019年5月3日 橋梁通信 一輪挿し (橋の詩心 季節の花添え) 一輪挿し(28) 空ふさぐ この橋高さ 人はまあ よくぞ架けたり 花と見あぐる Qたろう 作者は「軽井沢で短歌と写真と┅」と題したブログを運営する人。春のある日、上信越道の遠入川橋を下から見上げた歌を投稿した。 「よくぞ架け […]
2019年5月3日 / 最終更新日時 : 2019年5月3日 橋梁通信 一輪挿し (橋の詩心 季節の花添え) 一輪挿し(27) 春うらら 葛西の橋の 親子づれ 北条誠 さあ、何でも自由に想像を膨らませて。そう投げ出されたような句である。うららなのは、昼下がりかな。 (中略) 親子づれは絵になる。お母さんと子どもが手をつないだ姿が橋に […]
2019年4月6日 / 最終更新日時 : 2019年4月6日 橋梁通信 一輪挿し (橋の詩心 季節の花添え) 一輪挿し(26) 影たえて 下ゆく水も かすみけり 浜名の橋の 春の夕ぐれ 藤原定家 拝啓 定家様 春の夕の静けさ、のどかさを歌ったと一般的に解釈されています。でも、違いますよね。ことさら人影が「たえて」としたのは、対照的に […]